『サ道』や『コップのフチ子』の生みの親として知られ、著者累計70万部のマンガ家・タナカカツキ氏が、最新エッセイ集『君は朝を見たか』を出しました。発行元は株式会社游藝舎(本社:東京都渋谷区)です。2026年10月31日(土)に、全国の書店とAmazonなどのネット書店で発売されました。
本書のテーマは、デビューから40年の日々を経て著者がたどり着いた「意志の力に頼らず続けるしくみ」と「身体感覚に従う心地よい生き方」です。カラダの感覚を手がかりに過ごす「ご機嫌への道筋」がつづられています。

「ヤル気」は待たず、20分ごとに区切る
本書のポイントの一つが「右腕の履歴書」と身体に残る痕跡です。テニスで太くなった右腕のように、今の身体は過去の自分がしでかしたことの結果そのものだと著者は捉えます。何かを目指していたわけではなくても、「続いたことだけが痕跡として残る」。日々の暮らしの中で得たこの気づきが語られます。
仕事の進め方では、ヤル気は待っても来ない幻想だと言い切ります。作業を「20分のクエスト」に分け、時間が来たら淡々と次へ切り替える。このやり方で疲労や挫折を防ぐといいます。
時間の使い方は、午前3時半に起きる超朝型です。脳の判断力が最も高い早朝に重要なタスクを集中させ、午後は大事な決断を避けて自分を休ませます。無理をしない時間術として紹介されています。
サウナ、水草水槽、そしてAI
「みっともないほど健康でありたい」という章では、不健康が名作を生むという幻想を手放すことを説きます。身体は面白い予感を察知するセンサーであり、サウナや土手歩き、森林浴でそれをととのえることが大切だという主張です。
デジタルや評価経済のノイズから距離を置く方法として登場するのが、120cmの水草水槽です。水槽と向き合うことで、心の静寂と健やかな境界線、そして「ご機嫌」と自律性を取り戻していく過程が描かれます。
AIについては、最適解を出すAIを面白がる一方で、正解のない違和感や、身体を通して時間をかけて身につける「人間らしい遊び」の価値を改めて問いかけています。これが「空き地」の精神です。発行元は本書を、変化の速い時代にこれから何かを作ろうとしている人や、少し立ち止まっている人の味方となる一冊と位置づけています。がむしゃらにアクセルを踏み込むのではなく、エンジンを切らずに心地よく走り続けるための知恵や、暮らしを整えるヒントが収められています。
書籍概要と著者プロフィール
- 書名:君は朝をみたか
- 著者:タナカカツキ
- 定価:1,600円(税別)
- 頁数:224ページ
- ISBN:978-4911362754
- 発売日:書店/2026年10月31日(土)、Amazon(ネット書店)/2026年10月31日(土)
- 発行:游藝舎
目次は次のとおりです。
- 序章 エンジンは、切らないでおく──上司のいない仕事を、40年!
- 第1章 ヤル気は今日も来なかった──意欲に頼らず、続けるためのしくみ
- 第2章 虚構に抗う──制度になじめない少年が、選んで、捨ててきたもの
- 第3章 みっともないほど健康でありたい──身体感覚という受信機をととのえる日々
- 第4章 水草水槽がととのったー!──ガラスの中の生態系
- 第5章 何だか変なことができそうだ──AIの時代を好奇心のおもむくままに泳ぐ
- あとがきにかえて〜空き地で遊ぶ
タナカカツキ氏は1966年大阪府生まれのマンガ家・映像作家・アーティストです。1985年にマンガ家としてデビューしました。独自の観察眼とユーモア、脱力と哲学が同居する作風で、マンガ、映像、キャラクター、アートなど幅広い分野で活動しています。天久聖一氏との共著『バカドリル』シリーズ(扶桑社)や『オッス!トン子ちゃん』(ポプラ社)などで知られ、カプセルトイ「コップのフチ子」の企画原案も手がけました。サウナを題材にした『サ道』では「ととのう」感覚を広く伝え、日本サウナ・スパ協会公認の「サウナ大使」に任命されています。近年はサウナ施設のプロデュースや国内外のサウナ文化の紹介にも携わっています。旅先のサウナで出会う熱、風、水、人、文化を描く『サ旅』シリーズもあり、近刊には『ちょっと遠くのサウナまで サ旅、オランダ編』(ポプラ社)と『超現代サウナ入門』(ポプラ新書)があります。
発行元の游藝舎は「残り続けるいいものを」をビジョンに掲げ、媒体にとらわれず多様な作品を世に生み出しています。時が経ってもまた手に取りたくなる、心に残る作品づくりに取り組んでいます。
出典:游藝舎