株式会社宣伝会議が発行するクリエイティブの専門誌『ブレーン』の2026年12月号が、2026年10月30日に発売されました。表紙を手がけたのは、アーティストのYOSHIROTTEN(ヨシロットン)さんです。10月30日にTOKYO NODEで始まった同氏の大規模個展と連動した企画で、誌面のために制作されたオリジナル作品となっています。

今号のキーワードは秋の月見「十日夜」
『ブレーン』の表紙には、毎号、世界の先端を行くクリエイターの作品が起用されています。2025年からは「四季(Four Seasons)」を共通テーマに掲げ、発売時の季節に合わせたキーワードをクリエイターに示し、自由な発想で制作してもらうスタイルをとっています。
今回YOSHIROTTENさんに示されたキーワードは「十日夜(とおかんや)」です。旧暦10月10日の夜を指す言葉で、2026年は新暦の11月18日がこの日に当たります。秋の収穫を祝う日でもあり、この夜に浮かぶ、やや丸みを帯び始めた月は、「十五夜」「十三夜」と並ぶ秋の月見のひとつに数えられています。
超新星爆発を描く《Supernova》と連動
このキーワードを受けてYOSHIROTTENさんが提案したのは、自身が超新星爆発のプロセスを描いたアート作品群《Supernova》と連動するアートワーク2案です。同シリーズは、TOKYO NODEで10月30日から始まった大規模個展「ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND EARTH」にも登場します。表紙と個展の両方で、YOSHIROTTENさんの世界観を楽しめる構成です。
表紙アートワークに寄せたコメントで、YOSHIROTTENさんは、人々がまあるい月に向かって自然に感謝し、豊作を願い祈ってきたことに触れています。さらに、お月見や天体観測、人工衛星など、人間が昔から空を眺め、宙に思いを馳せてきたことにも言及しました。そのうえで、今回のカバーアートワークは「彼方との交信」をテーマに、超新星爆発前のドラマを描いたものだと説明しています。また、僕らの身体は宇宙から長い旅をしてきた粒子からできており、それは超新星の爆発から始まった長い旅路の先にあるものだとして、「宇宙は僕らの故郷と呼べるのではないでしょうか」とつづっています。

個展「彼方との交信/BEYOND EARTH」の見どころ
YOSHIROTTENさんは、1983年生まれのアーティスト・アートディレクターです。「未知なるもの」への尽きせぬ関心を根底に、ファインアートと商業美術、デジタルと物質性、都市文化と自然世界といった複数の領域を行き来しながら活動しています。代表を務めるデザインスタジオ「YAR」では、広告、イベント、ロゴタイプ、内装/外装デザイン、Web、映像など、商業における視覚芸術を幅広く手がけています。アーティストとしての主な個展には、〈SUN〉(2023年、国立競技場・大型車駐車場)や〈FUTURE NATURE II in Kagoshima〉(2024年、鹿児島県霧島アートの森)などがあります。
「ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND EARTH」は、2027年1月11日まで虎ノ門ヒルズ・TOKYO NODEで開催中です。会場では、JAXA協力による天体観測データを体感できる「宇宙アート」の作品群をはじめ、これまで取り組んできた3つの代表的なシリーズ〈RGB〉〈FUTURE NATURE〉〈SUN〉の新作を、過去最大スケールで発表し、話題を集めています。同展は、これまでの実践が結実する場であると同時に、新たな表現の可能性へ向かう試みと位置づけられています。また、JAXAとの協業による宇宙データの可視化にも挑み、ファインアート領域での到達点をキャリア最大規模で示すプロジェクトとされています。

東大・河口洋一郎名誉教授との特別対談も掲載
今号の「青山デザイン会議」は、この展覧会にフォーカスした内容です。「見えないものの可視化」をテーマに、デザインとアートの領域を横断して幅広く活動するYOSHIROTTENさんと、CGアーティストの河口洋一郎さんによる特別対談を掲載しています。
河口さんは、1975年からコンピューターによる芸術表現をスタートし、独自のプログラミング「Growth Model」を確立しました。近年は生成AIも取り入れながら、新たな表現の可能性を探究しています。対談のテーマは、この50年のテクノロジーの進化が「ものづくりのあり方」をどう変えてきたのか。鹿児島という共通のルーツを持つ2人が、世代を超えて語り合います。
出典:株式会社宣伝会議