
時代ごとのブームスイーツで描く「働く人々」の物語
株式会社KADOKAWAは2026年10月30日(金)、古内一絵さんの連作短編小説『スイーツアラモード』を発売しました。古内さんの作家デビュー15周年を記念した作品で、電子書籍も同じ日に配信されています。
舞台は昭和から令和へと移り変わる時代です。悩みながらも前を向いて働く人々が描かれます。作品の切り口になっているのは、プリンアラモードやパンナコッタなど、各時代でブームとなったスイーツです。社会の変化に揉まれながら生きる主人公たちの姿が温かいタッチでつづられ、読み手の背中をそっと押してくれる一冊として紹介されています。
あらすじ:就職活動に焦る大学4年生と、祖母・母のキャリア
令和8年の春、大学4年生の琴音は祖母の葬儀に参列していました。雑誌記者だった祖母は回顧録を出版しており、そのプロデュースを手がけたのは母です。琴音はふたりのキャリアを誇らしく思う一方で、自分とは遠い世界の輝きだとも感じていました。多様性の時代といわれ、平穏に生きることが一番とされるなか、琴音はただ真面目に勉強を重ねてきました。ところが就職活動が始まると、「平凡な自分」では売りにならないと焦りはじめます。
戦争、震災、ヘイト、疫病、ジェンダーギャップ。厳しい時代を生きる人々のそばには、いつも最先端のスイーツがありました。本作は、いまを生きる人の心の支えとなる「エール小説」と位置づけられています。

阿川佐和子さんや書店員から寄せられた言葉
阿川佐和子さんは推薦コメントとして、「人は甘い物を食べて、今日を乗り越え、明日に向かって顔を上げる。」という言葉を寄せています。
書店員からもメッセージが届いています。紀伊國屋書店金沢大和店の中田理恵さんは「スイーツからこれからを生きる人へのエールをもらえた気がします」とコメントしました。未来屋書店大日店の石坂華月さんは、先人たちが今の女性の立場を築いてきたことに胸が熱くなったと述べ、各章に登場するスイーツの遍歴も楽しめる点を挙げています。くまざわ書店調布店の柴崎莉沙さんは、昔好きだったスイーツや、それを誰と食べたのかを思い出したくなる物語だったと振り返りました。丸善有明ガーデン店の大茂由紀子さんは「疲れたときはスイーツを食べてがんばります」と言葉を寄せています。
刊行を記念して、『三千円の使いかた』『#台所のあるところ』など暮らしや生き方を描いた作品で知られる原田ひ香さんと古内さんの対談も実現しました。あわせて試し読みとして、「プロローグ」と「プリンアラモード」が全文特別公開されています。

書籍情報と著者プロフィール
- 作品名:スイーツアラモード
- 著者名:古内一絵
- 発売日:2026年10月30日(金)※電子書籍同日配信
- 定価:2,145円(本体1,950円+税)
- 頁数:384頁
- 装画:田渕正敏
- 装丁:鈴木久美
- 体裁:四六判上製 単行本
- ISBN:9784041158500
- 初出:「小説 野性時代」特別編集2024年冬号、特別編集2025年冬号、2026年4月号、7月号、9月号(プロローグ、エピローグは書き下ろし)
- 発行:株式会社KADOKAWA
古内一絵さんは東京都生まれです。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者になりました。「銀色のマーメイド」で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビューしています。2018年には『フラダン』で第6回JBBY賞(文学作品部門)を受賞しました。ほかの著書には「マカン・マラン」シリーズ、「風の向こうへ駆け抜けろ」シリーズ、「キネマトグラフィカ」シリーズ、『お誕生会クロニクル』『星影さやかに』『山亭ミアキス』『百年の子』『東京ハイダウェイ』など多数があります。
出典:株式会社KADOKAWA