堅牢ケース専門ブランド「PROTEX(プロテックス)」を展開するフジコーワ工業株式会社(代表取締役:盛谷慶一)が、新しい国産アルミアタッシュケース「SHIBUKI ATTACHE(シブキ アタッシュ)」を発表し、取り扱いを始めました。1919年創業の「漆器 山田平安堂」とのコラボレーションモデルです。最大の特徴は、山田平安堂の蒔絵職人がアルミのボディに直接蒔絵を施している点です。

創業100年を超える2社のものづくりが交差
山田平安堂は、宮内庁御用達の漆器専門店です。始まりは1919年、「京漆器の魅力を東京で紹介したい」という思いから山田孝之助が創業した「山田漆器店」でした。伝統的な漆器にとどまらず、現代の暮らしや異素材へと技術を広げています。宮内庁が宮内省と呼ばれていた時代から皇室に漆器を納めてきたほか、伊勢神宮や成田山新勝寺をはじめ、長い歴史を持つ数多くの寺社の漆器製作にも携わっています。
一方のフジコーワ工業は、1902年に興業しました。陸軍指定工場として金属コンテナを供給してきた歴史をルーツに持ち、戦前の頃からアルミ製品を手掛けています。PROTEXブランドでは、ビジネスやトラベル向けのほか、自衛隊や航空宇宙分野、消防ハイパーレスキュー隊など、さまざまな分野のプロフェッショナルに向けたケースをつくり続けてきました。「守り、運ぶ」ための道具と、日本の美を受け継ぐ工芸品。異なる分野で100年以上ものづくりを続けてきた両社の技術が、ひとつのアタッシュケースに融合しました。

手描きの「しぶき蒔絵」と漆黒のボディ
職人の手仕事だから、同じ表情はひとつもない
このケースの最大の特徴が、山田平安堂の蒔絵職人がアルミボディへ直接施す「しぶき蒔絵」です。蒔絵とは、漆で文様を描き、その上に金属粉などを蒔いて装飾する、日本に古くから伝わる技法です。今回は、勢いよく飛び散る水しぶきの一瞬を切り取ったような意匠を表現しています。
職人が一つひとつ手作業で描くため、しぶきの大きさや広がり、線の重なり方はまったく同じにはなりません。均一に複製するプリントでは生まれない、偶然性を含んだ手仕事ならではの表情です。発表元はこれを「いわば世界にひとつのアタッシュ」と表現しています。
国内ではほぼ見かけない「ブラックアルマイト」
蒔絵の土台となるボディには、「ブラックアルマイト」仕上げが採用されました。一般的な塗装のように表面を黒く覆うのではなく、アルミニウムそのものの表面に処理を施す手法で、金属ならではの質感を残したまま深い黒色に仕上がります。ただし、アルミボディを美しく均一な黒にするには、非常に高度な加工技術と細かな品質管理が欠かせません。その難しさから、国内で流通するアルミアタッシュでもブラックアルマイト仕様はほとんど見かけないといいます。

ベースはロングランモデル「LA-914」、機能もプロ仕様
「SHIBUKI ATTACHE」が目指したのは、鑑賞するだけの工芸品ではなく、”持ち運べる工芸品”です。ベースモデルには、80年以上アルミアタッシュを手掛けてきたフジコーワ工業のロングランモデル『LA-914』が採用されました。取り回しの良いサイズバランスと、アルミニウムならではの軽量さと強度を両立したモデルです。機密書類の保護輸送や、プロアスリート選手団がメンテナンス用具を持ち運ぶツールボックスなど、各方面のプロフェッショナルに今も選ばれ続けています。
ハンドル部分には、3桁のダイヤル式メインロックを搭載しています。暗証番号は1,000通りの組み合わせから設定でき、鍵そのものを持ち歩く必要がありません。アルミフレームにはガスケットを内蔵しており、ロックで本体と蓋を圧着する構造です。これにより、雨やほこりなど移動中に想定される外部環境から収容物を守る、防塵・防滴構造を確保しています。
内装も特別仕様で、このモデルのための別珍素材を採用しました。黒い外装を開くと、深みのある赤が現れる仕立てです。14インチサイズのPCやA4書類、雑誌などを収められるサイズで、蓋側には小物を整理できるポケットも備えています。製品はPROTEX公式サイトで取り扱われており、YouTubeでは製品紹介動画も公開されています。
- 外寸サイズ:370×270×109 mm
- 内寸サイズ:342×244×蓋55/身45mm
- 重量:1.9kg
- 材質:高張力アルミニウム合金G4B-T4
- 日本製
- 環境防水
- RoHS指令対応
出典:フジコーワ工業株式会社