
農林水産省のAI実装プログラムに選定
株式会社農情人(本社:千葉県船橋市、代表取締役:甲斐雄一郎)のソリューション「牛の状態把握・異常兆候の可視化による見守り負担軽減と生産性向上」が、農林水産省の「AI×「農山漁村」インパクト創出ソリューション実装プログラム」に選ばれました。選定結果は農林水産省のWebサイトで公表されています。
このプログラムは、農山漁村が抱える課題をAIで解決するソリューションを選び、地域への実装を後押しする農林水産省の取り組みです。今回選ばれたソリューションは、島根県出雲市の川上牧場が開発・運用する牛舎見守りAI「農家のミハルAI」をもとにしています。農情人は、この仕組みを地域へ展開することを目指しています。

酪農家を悩ませる夜の見回り
酪農の現場では、発情や分娩、起立不能といった牛の変化を見逃さないよう、夜間も牛舎の見回りが欠かせません。見回りによって担い手の睡眠や休息が削られ、家族で営む牧場ほど負担が集中しがちです。一方で、専用のセンサーや大がかりな設備は導入費用が大きく、最初の一歩を踏み出しにくいという課題もあります。

市販カメラと2段階AIで「必要なときだけ」通知
専用機器なしで始められる
見守りには、牛舎に設置した市販のネットワークカメラの画像を使います。川上牧場ではカメラ3台で運用しており、専用機器を使わずに見守りを始められます。
Geminiの2つのモデルで判定
牛舎の画像は15分ごとに確認されます。判定はGoogleの生成AI「Gemini」を使った2段階構成で、軽量モデルが一次選別を行い、高性能モデルが確定判定を担います。発情・分娩・起立不能などの異常兆候をAIが画像から判定し、異常が疑われる場合はスマートフォンに通知が届きます。最終的な確認と対応は農家が行います。
農家の声で判定を改善
通知への回答や見逃しの報告など、農家から寄せられたフィードバックは蓄積され、判定の改善に活用されます。
目指しているのは、「決まった時間に必ず牛舎へ行く」働き方から、「AIの通知を受けて、必要なときに人が確認する」働き方への転換です。見回りのすべてをAIに任せるのではなく、人とAIで分け合うという考え方に立っています。

10月30日のオンラインピッチ大会で発表
このソリューションは、2026年10月30日(金)15:30〜17:35に開催される「農山漁村におけるAIソリューションピッチ大会」(「農山漁村」経済・生活環境創生プラットフォーム 第6回情報発信会)で発表されます。会では選定企業の取り組みや期待される効果を共有し、自治体と企業の連携促進、地域への実装拡大、企業間のネットワーク形成を目指します。地域課題へのAI活用を検討する自治体・地域団体、地域の取り組みを支援する金融機関、農林水産業や地域づくりに関心のある人は、無料でオンライン視聴できます。
- 日時:2026年10月30日(金)15:30〜17:35
- 開催形式:オンライン配信(Zoomウェビナー)
- 参加費:無料(参加者数の上限なし)
- 主催:農林水産省、EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- 申込締切:2026年10月29日(木)23:59
- 申込方法:農林水産省公式サイトの申込フォームから入力
現在、農家のミハルAIを運用しているのは川上牧場の1牧場です。今後は川上牧場での運用で得た知見をもとに、ほかの地域の酪農家や自治体、関係団体との連携を探っていくとしています。導入や連携に関する相談は、農情人が運営するMetagri研究所が受け付けています。
Metagri研究所は「農業×新技術」をキーワードに、持続可能な農業の実現に取り組むコミュニティです。2022年3月に活動を始め、2026年10月現在で1,300名以上が参加しています。名前の「研究所」には、失敗を恐れずに新たな社会実験に取り組む姿勢を大切にしたいという思いが込められています。
出典:株式会社農情人