株式会社二見書房は、小杉健治氏の時代小説『浜町河岸の雨 栄次郎江戸暦32』を2026年10月26日(月)に発売します。人気シリーズ「栄次郎江戸暦」の第32作です。2026年に逝去した著者が、亡くなる直前まで推敲を重ねた遺作でもあります。

20年続いた人気シリーズの第32作
「栄次郎江戸暦」は、2006年に第1作が刊行されて以来、20年にわたって多くの読者に親しまれてきました。シリーズ累計は60万部を突破しており、小杉健治氏の代表作として知られています。
本作の主人公は、三味線弾きでありながら田宮流抜刀術の達人でもある矢内栄次郎です。人情味あふれる登場人物、巧みな謎解き、悪を断つ痛快な展開など、時代小説の醍醐味が詰まった珠玉の一冊として紹介されています。二見書房は本作を、長年読者を魅了してきたシリーズの集大成ともいえる作品と位置づけています。
五月雨の江戸で起きた転落死、疑いは芸者に
物語の季節は仲夏です。五月雨が江戸を煙らせ、大川が濁流と化す時期を舞台にしています。御家人の部屋住みでありながら三味線弾き「吉栄」としての顔も持つ栄次郎は、新柳町の芸者・染丸が抱える大金をめぐる騒動に巻き込まれます。
染丸の実家・小村家の元中間である幸七は、その金が若手歌舞伎役者・西河原箱太郎に渡ることを執拗に阻もうとしていました。しかし染丸は幸七の忠告を拒みます。嵐の夜、幸七は染丸を追ううちに大川へ転落してしまいます。
翌朝、幸七の骸が上がり、染丸に殺人の疑いがかけられます。栄次郎は密偵・新八とともに、幸七が命を賭して隠そうとした真実を追います。南町奉行所与力・崎田孫兵衛の力も借りながら、金に群がる悪党たちの正体を暴いていきます。
忠義の裏に潜むものとは
なぜ幸七は、命を賭してまで金の行方を隠そうとしたのか。一人の男の死をきっかけに、金をめぐる欲望と忠義が浮かび上がります。雨に煙る江戸で、栄次郎が事件の奥に潜む真実に迫っていきます。
著者・小杉健治氏について
小杉健治氏は1947年、東京都生まれです。1983年に「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、作家としてデビューしました。1987年には『絆』で日本推理作家協会賞を、1990年には『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞しています。社会派ミステリーから時代小説まで幅広く活躍し、緻密な構成と人間の情愛を描く筆致で多くの読者を魅了しました。
現代小説には『父からの手紙』『父と子の旅路』『それぞれの断崖』『曳かれ者』などがあります。時代小説では「栄次郎江戸暦」のほか、「風烈廻り与力・青柳剣一郎」「三人佐平次捕物帳」「蘭方医・宇津木新吾」など、数多くの人気シリーズを手がけました。2026年に逝去しています。
書籍情報
- 書名:浜町河岸の雨 栄次郎江戸暦32
- 著者:小杉健治
- 判型:文庫判(A6)
- ページ数:304ページ
- 定価:979円(本体890円+税)
- ISBN:9784576260853
- 発売日:2026年10月26日(月)
- 発行:株式会社二見書房
出典:株式会社二見書房