2024年1月読書メーターまとめ

1月の読書メーター
読んだ本の数:31
読んだページ数:10080
ナイス数:1052

絶望読書 (河出文庫 か 34-1)絶望読書 (河出文庫 か 34-1)感想
不思議なタイトルに惹かれて読んでみた。“現実をうまく生きられない人が、物語の世界を通して現実を見ることで、ある程度、うまく生きられるようになる“。絶望の最中にある人だけでなく、そうでない人も読んでみる価値はあると思う。前半は「絶望」について著者の体験談を交えて語り、後半は「絶望したときに触れてほしい」作品をいくつか挙げている。タイトルには「読書」とあるけれど、後半で紹介される作品は本に限らない。様々な媒体の作品をいくつか紹介している。なかには落語(桂米朝)もある。いざというときの知恵として学びとなります。
読了日:01月31日 著者:頭木弘樹
大人のための学習マンガ それゆけ! 論理さん (単行本)大人のための学習マンガ それゆけ! 論理さん (単行本)感想
監修が易しくわかりやすい野矢茂樹氏なので抜群の安心感。章ごとにマンガと解説文章で学習したあと、用意された問題を解いていく構成になっています。学習をした後に問題を解くというのは記憶に残りやすいし、理解を深めるのにとてもいい方法だと改めて感じました。論理の勉強としては今まで読んだ(ほぼ野矢氏の本)本のなかで一番わかりやすかったように思います。“大人のための学習マンガ”という位置づけではありますが、中学生ぐらいであれば読んで理解できそうな内容でした。論理学を学びたいと思った初学者にぜひおすすめしたい入門書です。
読了日:01月30日 著者:仲島 ひとみ
推し、燃ゆ推し、燃ゆ感想
気になりながらも読まずにいた。「推し」という現代的な言葉と「燃ゆ」。そして若い女の子と桃色の装丁。内容を推測するに、たぶん推しのアイドルが炎上してどうこうという話なのでしょう。これは、おっちゃんが読んでも楽しめるのか。ふと、最近読んだ「火花」と「スクラップ・アンド・ビルド」を思い出す。本作も同じ芥川賞受賞作だ。選ばれたからには何かあるはず。読んでみて、言葉の使い方が巧みだなと感じました。何気なく綴られた言葉に何かしらの意味が込められているような気がしたり、面白い表現があったり。印象的な部分が多かったです。
読了日:01月29日 著者:宇佐見りん
傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)感想
このフランスの作家さん、とても好みかもしれない。でもその前に翻訳本だから翻訳者の方(橘明美さん)に敬意を。ピエール・ルメートルの他作品も翻訳してらっしゃるようなので安心して追いかけられそう。この作品でカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズをすべて読み終えました。おそらく大事なことは、シリーズ作品すべて(番外編も)を読んでから本作品(完結編)に向き合うことだと思う。あんなことこんなことあったなと、ヴェルーヴェン警部の身に降り掛かったことを思い出しながら読んでいました。これで警部とお別れとか。なんか寂しいなあ。
読了日:01月28日 著者:ピエール・ルメートル
わが母なるロージー (文春文庫)わが母なるロージー (文春文庫)感想
三部作とされている”カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ”の番外編。「その女アレックス」と「傷だらけのカミーユ」の間にあたる作品だと思われます。ページ数少なめで軽く読める。お約束というかいつも通りというか、ヴェルーヴェン警部は今作でも時間に追われる。不自然に強情な犯人との駆け引きと、犯人が仕掛けた爆弾(実際は砲弾)捜しというスリリングで忙しい展開。・・になるはずですが、捜査の合間に入る警部と彼の恋人とのやりとりが危機感を薄めてくれる。タイトルの「ロージー」は犯人の母の名。母の重い愛に息子の想いが炸裂する。
読了日:01月27日 著者:ピエール ルメートル
小説の神様 (講談社タイガ)小説の神様 (講談社タイガ)感想
相沢沙呼さんの小説はもう何冊目だろう。今まで読んだ作品はすべて推理小説だったので、今回の物語はとても新鮮な感じがしました。若者たちが何かに一生懸命まっすぐに向き合い続ける姿は素晴らしい。それは今も昔も変わらない。ただ今の時代には昔では考えられなかったことがある。若者たちが不用意に広い人間社会と簡単に繋がってしまえるのだ。情報通信の力は偉大だけれど、時に経験未熟な若者たちが悪意にさらされてしまう。そんな時に大事なのはきっと、臆せず話せる友人や家族そして自分の仲間(ファン)だ。この作品を読んでそう感じました。
読了日:01月26日 著者:相沢 沙呼
図書館の殺人図書館の殺人感想
裏染天馬シリーズ三作目。一作目は体育館、二作目は水族館で今回は図書館。オタク探偵裏染君は事件解決に行き詰まった警察関係者にまたしても助けを求められる。趣味に使うカネ欲しさに淡々と事件解決に勤しむ裏染君は、感じ方によっては冷たい印象をうけるかもしれない。しかし、過去作においても今作においても他人を思いやる気持ちをさりげなく見せている。彼の秘められた過去については、またも少しだけしか明かされない。なぜ人と深く関わろうとしなくなったのか、なぜ家ではなく学校に住んでいるのか。事件の謎より彼の謎のほうに興味がある。
読了日:01月25日 著者:青崎 有吾
少年と犬少年と犬感想
犬を飼ったことはないのですが、みんな賢かったりするのでしょうか。この作品に出てくる犬はとても賢い子。どの年齢の犬までを若い犬というかはわからないけれど、6歳になる本作品の犬はとても生命力に溢れ活動的です。というか活動的という次元を超えてしまっているように思う。東北の地震をからくも乗り越えた犬は、旅の末に熊本のとある男の子の元へとたどり着く。旅の途中で出会った人々とのエピソードも心に残るものばかり。あまりにもまっすぐで迷いがない犬の行動に心を打たれる。犬にも心があるのだろうか。あるように感じられてならない。
読了日:01月24日 著者:馳 星周
アンダードッグスアンダードッグス感想
アクション(クライム色濃いめ)映画を観ているような感覚で読みました。海外で展開されるストーリーなので、海外物っぽくなりそうだけどそうじゃない。仲間なんだけど仲間ではない、利害関係の上に成り立っているようなチームで難解なミッションに挑む。素人であるにも関わらず、強制的にミッションに参加させられる主人公。そして物語はその主人公の時間軸と、主人公の義理の娘の時間軸というふたつの舞台を交互に行き交いながら進んでいく。大きな力に巻き込まれるという死を間近に感じる状況下で必死にもがく主人公。結末がすっきりでよかった。
読了日:01月23日 著者:長浦 京
政治学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)政治学 補訂版 (New Liberal Arts Selection)感想
政治学を学ぶ。それは有権者として冷静に情勢を見れるということに繋がっていくのだと私は思う。深く学ぼうとすると、大抵広く学ばなければいけなくなる。本書はその点において広く要点を押さえられる。また、政治学を学ぶにあたり辞典的な役割も果たしてくれるのではないかと思う。それぞれの章の最後にはポイントとなる部分を何点か挙げ、復習を効果的に行えるように配慮されている。分厚い書籍なのでたじろいでしまうが、そんなに難しい単語は使われていないので読みやすい。読みやすい上に説明もわかりやすく丁寧であるという印象を受けました。
読了日:01月22日 著者:久米 郁男,川出 良枝,古城 佳子,田中 愛治,真渕 勝
六月の雪六月の雪感想
怪我で入院することになった祖母。人間、怪我をしたり病気になると途端に心が落ち込む。それが老い先短いと自分でも感じる所があれば、なおさら落ち込むのでしょう。孫は祖母を元気づけたいと、祖母の生まれ育った台湾へと赴く。行ってどうするんだと最初思っていたんですが、送られてくる写真などが祖母へのいい刺激になっていた。送られてくる報告を複雑な思いで受け止めている祖母が印象的。台湾の歴史、孫と台湾の人との交流、そして祖母の台湾での記憶と彼女が抱えている悩み。過ぎたことは元に戻らない。孫の名前「未來」が最後に効いてくる。
読了日:01月21日 著者:乃南 アサ
ええ、政治ですが、それが何か?――自分のアタマで考える政治学入門ええ、政治ですが、それが何か?――自分のアタマで考える政治学入門感想
挑戦的なタイトルに少し腰が引けながらも読んでみる。政治に興味がないだとか、どうせ自分なんかが政治の事を考えてもしょうがないだとか、なんだか政治のことを考えると暗い気持ちになるだとか。そういう思いを持った人が読むと、前向きな気持で政治と付き合える様になるかもしれない。若い頃ならいざ知らず、中年になって無関心だとどうもいけない。そう、「どうもいけない」ということに悩まされる。政治に対する現在の自分の中の偏見を一度払拭しなければ。”社会の人々が持っている力をもっと引き出したい”という著者の思いが詰まった本です。
読了日:01月20日 著者:岡田憲治
水族館の殺人水族館の殺人感想
オタクな探偵、裏染天馬シリーズ第二作。前回はそのオタク気質なところに注意が行きがちになってしまったけれど、今回は推理を進める様子を少し楽しめたように思える。しかし、読み返してみると章タイトルや節タイトルが何やらオマージュやパロディくさい。ある節タイトル「病弱イルカ娘」は某侵略系ゲソっ娘を思わせる。論理的な推理についていけない私の場合、これらの要素に気付けるかどうかがある種の楽しみになる。前作から引き続き登場する人物もだいぶ覚えた。新しいキャラも出てきて、裏染君の過去も見え隠れ。これからの展開も楽しみです。
読了日:01月19日 著者:青崎 有吾
星の王子さま (新潮文庫)星の王子さま (新潮文庫)感想
先日読んだ本で、普段読書をしないヒロインが語り手くんにお勧めしていたのが気になって。本書はなんとなく存在を知っていました。本書の表紙を見てミヒャエル・エンデの「モモ」を思い出す。あれは、ずっと読まずにいて悔やんだ一冊だった。この本もその類かもしれない。そんな思いで本書を読んだのだけれど、ぼんやりとしか掴めなかった。思い出そうとしても過去の事「こども」の頃の事は、今ではもうはっきりと思い出せない。もしかしたら私にも、大切にしてたことがあったのかな。思い出すことは困難だけど、そう思うことですこし心が軽くなる。
読了日:01月18日 著者:サン=テグジュペリ
君の膵臓をたべたい君の膵臓をたべたい感想
”全ての人間が、いつか死ぬようになんて見えない”。序盤に出てくるこの文が意外な形で突きつけられた。私が読んだのは単行本で、230p以降読むことが進まなかった。びみょーんにティッシュのゴミが増えたよ。本作品は実写映画を観たことがある。内容を比較しながら読もうと思っていたのですが、「浜辺さん可愛い」しか記憶に残っていないことが判明。今度、改めて観よう。彼が彼女のことを「君」としか呼んでいなかったこと、闘病ではなく共病だったこと、メールのこと、そして彼が、春の樹が彼女の名前を呼べたこと。なんだかホッとしました。
読了日:01月17日 著者:住野 よる
飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る感想
元自衛官が教える自衛隊で学んだ人生訓。人は空腹と睡眠不足と疲労が重なると別人のようになる。そんな文を見て、漫画「じゃりン子チエ」のおバァはんの言葉を思い出しました。”ひもじい、寒い、もお死にたい、不幸はこの順番で来ますのや”。思えばあの漫画も人生訓だらけだったような気がする。それはともかく。暖かくして、しっかり食べて、ちゃんと休む。これは極限状態に置かれるような自衛隊であっても一般人であっても、共通して言える事だと思う。災害時の備え等についての話も、昨今特に気にかけていることなので非常に勉強になりました。
読了日:01月16日 著者:ぱやぱやくん
medium 霊媒探偵城塚翡翠medium 霊媒探偵城塚翡翠感想
少しばかりよかったなと思っていることがありまして。それは、相沢沙呼氏の「酉乃初の事件簿シリーズ」、「マツリカ・シリーズ」を読んでからこの作品を読んだこと。シリーズ作品それぞれ違う世界ではありますが、この作品と繋がっている部分があります。というかあれかもしれない。作者の趣味嗜好がどの作品にもでているような。奇術、日常の謎解き、サドっ気のあるヒロインと忠犬。奇術、マジックに関しては相沢氏も腕に覚えがあるようで。衆目を欺く技術も読者を欺く技術も何か共通点があるのかも。今作で相沢沙呼氏の集大成を見た気がしました。
読了日:01月15日 著者:相沢 沙呼
マツリカ・マトリョシカマツリカ・マトリョシカ感想
マツリカ・シリーズ三作目。語り手、柴山君が女子生徒の制服を盗んだと疑いをかけられる。制服は密室で発見された。状況証拠は柴山君が犯人であることを示唆しているが・・。今回はマツリカさんはあまり登場せず、柴山君の友人たちが彼の潔白を証明しようと奮闘します。証明しては反証で崩され、なかなか解決に繋がっていかない。さらには過去に学校で起きた密室事件と今回の密室事件が絡まる。無駄に推理せず淡々と読み耽った。マツリカさんは今作で初めて人前に出てきて、ひとつの謎を解決へと導く。さまざまな形での友情を見せられた作品でした。
読了日:01月14日 著者:相沢 沙呼
マツリカ・マハリタ (単行本)マツリカ・マハリタ (単行本)感想
マツリカ・シリーズ二作目。単行本の装丁は今回も素敵に仕上がっており、ダークな色使いでマツリカさんの妖艶さを引き出しております。小説内でもマツリカさんは挑発的で色っぽい。学生時代にもしこの作品に出会っていたら、自分の中の何かが歪んでいた可能性がある。男子学生は注意して読まれたし。今作品で、相沢沙呼作品頻出単語「双眸」の出現回数は確認できただけで6回。”双眸の沙呼”の異名は伊達ではなかった。私の注意不足かもしれないが、ヒロイン”マツリカ”の本当の名前が読後もまだわからないまま。答えにたどり着きそうで着かない。
読了日:01月13日 著者:相沢 沙呼
マツリカ・マジョルカマツリカ・マジョルカ感想
相沢沙呼氏の酉乃初の事件簿シリーズは先日読み終えた。お次はマツリカシリーズ。どうやら三作品あるみたい。今回のシリーズも装丁かわいい。酉乃初はマジシャンだったけど、今回のヒロインはマジョ?のマツリカ。高校生らしいけど学校に在籍しているかどうかもはっきりしないミステリアスな女の子。マツリカ、が本名なのかもわからない。語り手は柴山くん。マツリカからは柴犬と呼ばれている。探偵のタイプとしては安楽椅子探偵であるように思われます。日常の謎解きが少し物足りなくも感じたけれど、最後にグッと引き込まれました。次作も楽しみ。
読了日:01月12日 著者:相沢 沙呼
ロートケプシェン、こっちにおいでロートケプシェン、こっちにおいで感想
マジシャンの顔も持つ女子高生、酉乃初(とりのはつ)シリーズ2作目。1作目からずっと気になっていたことがある。それは彼女の名前の由来だ。最初は、どストレートに”鳥のハツ(心臓)”じゃないかと思っていたのだけれど。いろいろ考え直して、酉=トリック?、乃=の?、 初=ハツ(ハーツ→ハート→心?)とかなんとか。どうもしっくりこない。物語を追うのと、彼女の名前について考えることで忙しかった。内容は1作目よりもミステリ寄りになった気がします。おそらくシリーズは今作までだと思うけれど、いい纏め方で優しさに包まれました。
読了日:01月11日 著者:相沢 沙呼
午前零時のサンドリヨン午前零時のサンドリヨン感想
”鮎川哲也賞、東京創元社が主催する公募の新人文学賞。「創意と情熱溢れる鮮烈な推理長編」を募集する。賞金は印税全額”(!)。本作品は第19回受賞作。wikiでこれまでの受賞・候補作を眺めていると面白そうなタイトルのものが多い印象を受けた。映画を途中まで観た「屍人荘の殺人」。昨年の候補作「そして誰もいなくなるのか」も読書欲が疼く。近藤史恵さんの名も見えた。巻末の受賞作・候補作に対する審査員らの選評を読んでいると何故だか背筋が伸びる。本作品に関しては謎解きよりも各登場人物の秘めたる思いに惹かれる感じがしました。
読了日:01月10日 著者:相沢 沙呼
まなの本棚まなの本棚感想
おじさん(私)の中で”人生二週目疑惑”をかけられている人物、芦田愛菜さん著。出版当時、中学三年生(!)。彼女の年齢不相応な言動を見ていると、おじさんなんだか恨めしい。でも、羨んでいてもしょうがないですね。人生は後戻りできないし、二週目だってないから。ただひとつ、本の世界に浸ることが幸せという共通点に喜びを感じようと思いました。”「目の前の世界だけがすべてじゃない」って教えてくれるのが本(辻村深月)”。いいなあ辻村先生と対談なんて。おっとあぶね、また羨ましい病が。そうだすべてじゃない。さあ、また本に浸ろう。
読了日:01月09日 著者:芦田 愛菜
その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)感想
シリーズ物の第二作。正直言いますと期待はしていなかった。ほら、映画とかの続編って大概期待値を下回るでしょ(個人的な意見です)。ですがこの続編はそうじゃなかった。日本ではこの二作目がシリーズ一作目よりも一年早く刊行された。私は事前情報でそのことを知っていたので「悲しみのイレーヌ」から先に読みました。順番に読んだほうが、主人公の心情の変化に寄り添えるかもしれない。でも、この作品からシリーズに入ったとしても、十分に心を揺さぶられるのではないかと私は思う。真実より正義。日本人が好みそうなのは一作目よりこちらかも。
読了日:01月08日 著者:ピエール ルメートル
緋色の研究 (新潮文庫)緋色の研究 (新潮文庫)感想
初コナン・ドイル。順番よく名探偵登場の第一作目を選んだ。この作品に対する私のイメージは、ロバート・ダウニー・ジュニアの映画「シャーロック・ホームズ」で固定されてしまっている。いつか小説でこの作品に触れたいと思っていた。映画と原作はだいぶ違う設定だろうなと予想した私。でも人物設定はだいぶ近いように思われた。ワンコもいるし。でも、アクション映画的な立ち回りはできないだろう。それに対しても武芸の達人であるとの記述。だいぶ予想外です。ただ、相棒ワトソン氏が足ではなく腕に古傷を抱えているという所に疑問が残りました。
読了日:01月07日 著者:コナン ドイル
レモンと殺人鬼 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)レモンと殺人鬼 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
もともとは「レモンと手」という題名であった、と巻末に書かれてありました。レモンと手ではミステリーみが薄かったのでしょうか。とある姉妹を中心に話が展開しますが、表紙の女性が姉を描いたものなのかそれとも妹なのか。読後それが気になりました。クライマックスの慌ただしさは、最近読んだミステリーのなかでも随一。そこまでするかというぐらいの目まぐるしい展開が読者を待ち受けています。これこそがこの作品のポイントなのだと思う。いやそうはならんやろとは思いつつも、いやここまで来たらもうそうなるしかないかと達観するに至ります。
読了日:01月06日 著者:くわがき あゆ
独学大全公式副読本――「鈍器本」の使い方がこの1冊で全部わかる独学大全公式副読本――「鈍器本」の使い方がこの1冊で全部わかる感想
ずっと積みっぱなしの「独学大全」という鈍器本。たまに開いてひと項目だけ読むという感じでなので、いつまでも読み終える気配はない。けれど、それでもいいかなと思っています。先日、英語で書かれた本をまったく読めずに楽しめなかった。それで英語を独学することを決めた。独学大全にもこちらの副読本にも英語学習の始め方が書かれていて助かる。学び始めるのに苦労はしない。あとは、独学者の大敵「3日坊主」との対決だ。本書は年初に関わらず、何かを学ぼうと決心したときに、または何か学びのきっかけを探しているときにきっと役に立つはず。
読了日:01月05日 著者:読書猿
Where the Crawdads SingWhere the Crawdads Sing感想
読んだというより眺めていた。英語だけどなんとか読めるはずと挑むも読書にはならず。邦題、”ザリガニの鳴くところ”。せめてその題名にちなんだ場所だけでも探し出す、という小さな目標を立てて読んだ。片手にGoogleレンズを起動させたスマホを持ち、翻訳してもらいながらページをめくる。翻訳されてるのに不思議と内容が頭に入ってこない。諦めかけたが、Book Endsで”crawdads do not sing.”と書かれている場所を発見。しかしホントは作品の内容が知りたかった。くやしい。原著で読めるように模索したい。
読了日:01月04日 著者:Delia Owens
カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)感想
読み終えてしばらく考えて、下巻の序盤と上巻のはじまりを読み返す。面白かったです。気づけなかったものに後から気づく。そのときの私の顔を客観的に見てみたかった。原著でも邦訳でも同じようになる仕掛けには興奮した。邦訳だからまさかそうはならんだろと思ってスルーした人が多かったんじゃないかと思う。いや、そう思いたい。”人はなぜ殺し合うのか、きみにはわかるかね?理性を失っているからだ”。読んでいて、理性をギリで保っている人物が多かったように思う。語り手でさえも危うかった。私自身もギリで保てているだけなのかもしれない。
読了日:01月03日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ
カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)感想
”アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!”と書いてあるのですが・・。申し訳ないぐらいにクリスティ女史の作品を読んでおらず、どの部分がオマージュなのかまったくわからない。くやしいですが、そのまま読み進めるしかなかった。被害者と関わる人物全員が怪しい。これは胸が高まります。殺されて当然だと思われれている者と、殺人を犯してもおかしくない者たち。上巻ですべての謎が解けるわけもなく、下巻に期待をさせるような終わり方だった。探偵ピュントの体調もすごく気がかりです。この先何が起きるのでしょうか。
読了日:01月02日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ
Xの悲劇 (角川文庫)Xの悲劇 (角川文庫)感想
エラリー・クイーン初読み、のはずなんだけど。作品発表当時は「バーナビー・ロス」という別ペンネームでの出版だったという事を知る。ややこしい。でもあれですわね。エラリー・クイーンだと明かされた時の世間の反応がちょっと気になりますね。”悲劇四部作”の一作目にあたる今作品。わくわくしながら読みました。読後疑問に思ったのは、どんな点で悲劇であったのかというところ。私なりに色々考えた。悲劇を迎え入れることになったのはおそらく犯人。そしてそれを演出したのは元俳優の探偵ドルリー・レーンという感じ。この探偵ちと不気味です。
読了日:01月01日 著者:エラリー・クイーン

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