2023年11月読書メーターまとめ

11月の読書メーター
読んだ本の数:30
読んだページ数:10980
ナイス数:659

黒牢城黒牢城感想
著者の作品「氷菓」をだいぶ前に読んだ記憶があります。でも、氷菓以外の作品を知らないので著者へのイメージが氷菓の世界に偏ったままです。しかし今回読んでみてよかった。こういう作品も書ける人なのだと知ることができました。戦国の世の知識の無さを改めて感じるという発見もあり、歴史に明るければより深く楽しめたんじゃないかと思います。戦国ミステリー。戦国という舞台ならではのトリックや動機など新鮮で面白い。録画や撮影それに科学捜査が無い時代、犯人を見つけ出すのは苦労したことでしょう。死が常に近くにあるというのも怖い時代。
読了日:11月30日 著者:米澤 穂信
クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)感想
ゲームブックぅ!本来スリリング&ショッキングな内容のはずなのですが、やけに興奮気味に読了。ゲームブックをどう説明したものか。私が小学生の頃に流行った、自分の選択次第で内容が変化する作品って言えばよいのかな。紙媒体のノベルゲーム(ビジュアルノベル)、と言えば分かり易いのか?流行っていた頃、休み時間を惜しんで自作のゲームブックを作る猛者もいました。すごく面白かったんだけど、残念ながら記憶が薄れはっきりと覚えていない。悔しい!本作のようなサバイバル要素が強い作品、ファンタジーな作品など様々あった。ああ懐かしい。
読了日:11月29日 著者:貴志 祐介
推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術感想
ヤバいエモいエグい。そんな言葉の羅列でも、”ワカッテル”同士での間なら伝わるのかもしれない。でも、知ってる同士じゃない場面もきっとある。自分の推しについての情報を持たない。そんな相手に、どうやって自分の推しのことを伝えればいいのか。誰の意見にも左右されない、ありきたりじゃない自分だけの言葉。そこにたどり着くための案内書です。推しは何もアイドルだけに限らないはず。推しの対象は世の中にたくさんある。そのうち何かひとつでも、それの良さ素晴らしさを伝えられることができたなら。それってすごく素敵なことだと私は思う。
読了日:11月28日 著者:三宅 香帆
語りえぬものを語る語りえぬものを語る感想
哲学・論理学をなるだけ易しく噛み砕いて教えてくれるのが野矢茂樹氏の特徴だと私は思う。彼の本をこれまで何冊か読んできました。最近読んだ本は「大人のための国語ゼミ」で、こちらはは私には若干難易度が高かった。うん、もう少し難易度を下げて学ぼう。低いものはないかと思って、パッと選んだこの本。やってしまった。表紙のような澄んだ青空のような読了感にはなりませんでした。しかし難しい話題を扱っていても、著者の伝え方のうまさを感じる。例えがわりと可愛かったりします。猫がよく出てきます。どうやら猫と住んでもいらっしゃる様子。
読了日:11月27日 著者:野矢 茂樹
ツナグ (新潮文庫)ツナグ (新潮文庫)感想
傲慢と善良が面白くて、他の作品もすぐ読んでみたくなった。読んだ人が多そうな本作品をチョイス。前情報無しで読み始めて、ほどなくして短編集だと気がつく。おっと、違うこれは繋がりものだ。最初の話を読んでいるとき、頭の中で自然とYOASOBIの某推しの曲が流れる。それはとりあえず置いといて読み進めていく。終わりに近づく。ある期待が高まる。この流れ、もしかしたら最終話で怒涛の回収祭りが来るんじゃないか。まさに期待通り、いや期待以上でした。すべてが繋がった時のあの爽快感、気持ちの良さは読者の特権だなとふと思ったり。
読了日:11月26日 著者:辻村 深月
ぼぎわんが、来るぼぎわんが、来る感想
ホラーは苦手なんですけども。ずっと気になってしょうがなくて。少しだけ本の内容について調べたら、「比嘉」の文字がちらと見えたので読んでみることにした。ぼぎわん。関係ないのですが、「ふぉん・しいほると」をちょっと思い出したり。それはいいとして、やだなあこういうの。人を呪わばなんとやらってよく聞きますけど、その呪いが連鎖的に後世にまで影響を与えるなんて穴二つどころじゃないよ。正直、ぼぎわんとの対峙はひやひやしました。残虐で無慈悲に攻めてくるイメージだったので、全滅もありえそうだった。最後は救いもあってひと安心。
読了日:11月25日 著者:澤村伊智
好奇心を“天職"に変える空想教室好奇心を“天職”に変える空想教室感想
ロケットの話題をよく目にする。宇宙へ向けてロケットを飛ばすのには何が必要?お金?それもあるかも。人類が宇宙へ飛び出すことは無理だと思われていた。それが打ち砕かれて皆が無理ではないと知ることとなった。でもまだまだ難しいことだと思われている。ましてや民間人がロケットを作るなんてことはおよそ無理だとまだ思われているはず。それを変えようとしている人たちがいる。そして変わりつつある。思い描いたことにひたすらあきらめずに進んでいく気持ちが必要だと著者は教えてくれる。著者のような方がこれからもっと増えてくると私は思う。
読了日:11月24日 著者:植松 努
史上最強の哲学入門 (河出文庫)史上最強の哲学入門 (河出文庫)感想
史上最強の〇〇、いかつい爺さんの漫画風の表紙など、なんだかゆるそうな気配を感じます。漫画グラップラー刃牙が好きな著者が、哲学者を闘技者と見立てて開会宣言をするところから始まる。哲学史とは知の領域の戦いの歴史である、と著者は述べる。読んでいるとまさにそうだった。誰かが真理を唱えれば、別の誰かがそれに対する真理をぶつけてくる。代表的な哲学者の戦いの歴史を辿ることで、真理に人生を賭けた人々の熱を感じることができた。著者が妙なテンションなのは冒頭だけで、哲学者の解説はくだけた感じですがとてもわかりやすかったです。
読了日:11月23日 著者:飲茶
体育館の殺人 (創元推理文庫)体育館の殺人 (創元推理文庫)感想
幕間を設けてまで作者が挑戦してくるもんだから、頭かきむしりながら推理。私の推理は大外れ。納得いかんけど、とらドラ出てきたからよしとする。学園もので殺人が起きる作品は小説だけでなく漫画とかでもありますね。タイトルから密室だろうなとは思った。でも特殊な密室というのには思い至らなかった。プロローグも読者の推理を妨げるものなのだろうと思う。若さゆえの過ち、では済まない重さ。殺人は死体を足の付かない方法で消しておくのがベストかなとか、心臓一刺しで即死させるためにはどこを刺せばいいかなとか、物騒なことが頭をよぎった。
読了日:11月22日 著者:青崎 有吾
自転しながら公転する (新潮文庫)自転しながら公転する (新潮文庫)感想
”人の痛みに寄り添う気持ちが欠けている”。自分以外の誰かの胸の内でうずまく苦しみや辛さに自分はどれくらい気づけてあげられただろうか。著者の意図する形とは違うかもしれませんが、自分にはこの一文がだいぶ堪えました。ニャン君の男論にうなずき、貫一に無理やり自分を重ねてダメージを受け、最終的に著者にしてやられる。もうやだこの小説嫌い。でも好き。自分が男性だからなのか生い立ちが良くなかったのか全体的に胸が痛いです。裏表紙に”あたたかな共感で満たす傑作長編”と書いてあります。多くの人にとってはそうであってほしいです。
読了日:11月21日 著者:山本 文緒
ずっとやりたかったことを、やりなさい。 2ずっとやりたかったことを、やりなさい。 2感想
「ずっとやりたかったことを、やりなさい」の続編。創造性を回復させることに重きを置いたのが前作で、今回は創造性を発揮し自らの道に進み始めた人へのアドバイスを多く含んでいるように感じられた。創造性を回復するための”ツール”はひとつ増えて3つになっております。モーニングページ、アーティストデート、そしてウィークリーウォーク。書いてスッキリ、余暇を楽しんでスッキリ、歩いてスッキリ。12週間プログラムを律儀に行わずとも、この3つを習慣化させれば良い気がする。自分のメンタルをケアする考え方もいくつかあり参考になった。
読了日:11月20日 著者:ジュリア・キャメロン
ずっとやりたかったことを、やりなさい。ずっとやりたかったことを、やりなさい。感想
創造性回復のための12周間プログラム。とあるYoutube動画で本書の「モーニングページ」という、朝起きてすぐにレターサイズ(A4)の紙に思いついたことを3ページ書くというものを紹介していた。翌日の朝から試してみて1週間ぐらい。用紙が大きくて最初は1時間ぐらいかかりましたが、今は50分ぐらいで書けるようになった。本書を読まずに始めてしまったのですが、なんかスッキリする気がする。似たものでジャーナリングというのもあるらしい。プログラムを実践するのもいいが、心の内を書き出すことを続けるだけでも効果はありそう。
読了日:11月19日 著者:ジュリア キャメロン
大人のための国語ゼミ大人のための国語ゼミ感想
国語の定義とは、「ある一国における共通語または公用語」(Googleで検索)。私が国語を学ぶと言う場合、日本語を学ぶということになる。この年になって日本語の授業か。乗り気ではなかった。しかし、読んで解き進めると予想外に面白い。内容は日本語の扱い方に関する文章問題と解答、そしてその解説です。問題が70個近く用意されており、答えを考えながらの読書になるのですごく時間がかかります。著者はできれば1ヶ月はかけて読み進めてほしいと書いている。国語力を向上させて、日本語での文章・会話に活かす。国語力、あなどれませぬ。
読了日:11月18日 著者:野矢 茂樹
名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義感想
飲酒寿命をのばす。できるだけ長いあいだ、お酒を楽しめる体でいたい。本書は専門家や医師数名にインタビューし、それをまとめたものである。インタビューした方の略歴は巻末にあり。”二日酔いの原因、それにメカニズムは、驚くほどわかっていない”。二日酔いの話はよく聞くし、自分自身もなったことがある。飲酒のあとに起きる現象として広く知られているようなことでもわからない、とは不思議なことです。内容は見聞きしたことのある情報が多い。飲酒にまつわる話のまとめ本といった感じ。よくよく考えるとね、その、飲まないほうがいいかもね。
読了日:11月17日 著者:葉石かおり
哲学な日々 考えさせない時代に抗して哲学な日々 考えさせない時代に抗して感想
哲学って文字みるとウッてなる。だいぶそちら系の本を読んだ今でもやっぱりなる。たぶん毒なんですな哲学って。そして、毒耐性のある人間が哲学者なんだ。でも、著者の本で哲学に触れていると、不思議と毒をくらってる感じがしないんです。毒を細かく砕いて与えられてる感じ。”学問は「はてな」にはじまり「なるほど」に至る。哲学は必ずしもそうはならず「もやもや」にはじまり「すっきり」を求める”(この部分に私は「なるほど」と思った)。そのあとこう続く。”つまり、便秘解消だ”。胸の奥の便秘を解消したい方におすすめできる、、かな。
読了日:11月16日 著者:野矢 茂樹
テスカトリポカテスカトリポカ感想
巻末に参考文献がたくさん。ふと、文献を漁っていて物語をひらめいたのか物語を先に思いついたのかちょっと気になった。沖縄出身の登場人物がいて方言使ってくれて、なんだか嬉しかったなあ。クライム・サスペンスな作品内容は濃ゆい映画見てる感じです。日本で海外でと話が展開され、実在の組織名が登場したりする。日本国内のその筋の組織名が使われてないかちょっと心配になったり。何好き勝手書いてんだとか言われたら怖そうですもの。あと、男女どちらに好まれる内容なのかと考えてみると男向けかなと思う。なんとなく血の匂いがする作品です。
読了日:11月15日 著者:佐藤 究
一日江戸人 (新潮文庫)一日江戸人 (新潮文庫)感想
著者のことを良く知らないまま読んでいましたが、なるほどさすが「江戸風俗研究家」であらせられる。江戸人(えどじん)のウンチクがこれでもかってほど載ってます。小粋な絵はさすが漫画家さん。本人も楽しんで書いておられるんでしょう、文章も軽快なリズムを刻んでいる。落語で聞いたことのある「あくび指南」が実際にあったかもしれないという話は興味深い。将軍様の一日、長屋暮らしに食文化、はては春画のお話まで情報は幅広い。江戸話でお腹が一杯になります。”開放的な玄関・明るいトイレ”の長屋に、”混浴銭湯”。なんだか清々しいなあ。
読了日:11月14日 著者:杉浦 日向子
傲慢と善良 (朝日文庫)傲慢と善良 (朝日文庫)感想
「高慢と偏見」という小説があると作中で触れられるが、気になって調べたら実在した。イギリスの片田舎が舞台らしい。片田舎というフレーズ、この小説と何かしら繋がりがあるかも。そうですね・・たくさん登場人物がいますが、私が思うにおおむね普通な人たちなのでは思った。普通の人達のなかにあるそれぞれの正しいと思うこと。傲慢か善良かは見る人次第で変わりうる。主人公サイドの考え方が正しいと言い切れるのか。脇役サイドの言動のほうが大多数ではないのか。結婚・恋愛観の話が中心であるはずですが、人の心の多様さを改めて感じることに。
読了日:11月13日 著者:辻村 深月
スマホ脳 (新潮新書)スマホ脳 (新潮新書)感想
歩こう。少しずつでも歩こう。運動をすると集中力が増すということが研究の結果でわかっているらしい。私は集中力を上げたい。ちょいと運動を取り入れてみようと思う。ちょうど今、スポーツイベントの会場に来てます。外がなかなかの雨降りなので車で読書してこの感想を書いている。自分の中の運動熱を再び呼び覚ますためにも、そろそろ車から出て観戦しに行こう。外に出て体を動かすという事が、生物として大事なんだと言うことを体で感じよう。年齢的に考えるといきなり激しく動くのは危なそうなので段階的に。さあ、画面を閉じてお外へ出ましょ。
読了日:11月12日 著者:アンデシュ・ハンセン
イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」感想
序盤で脳神経科学を深く学ぶためにマッキンゼーを退社するなど、著者の経歴を軽く紹介している。後光で目がくらむんじゃないかぐらいの輝かしい経歴。少しばかりひるむ。そんな方の頭の中を少しだけ覗くことができた、ような気がする。”バリューのある仕事とは何か”。そこへ向かうためのアプローチの数々。マッキンゼーっていったいどんなトコロなのでしょうか。こんな方がゴロゴロいることを想像すると恐ろしくなる。本書で学べることは一朝一夕で会得できるようなものではないと思う。知的生産。エレガントな響きに憧れるだけではいけないのう。
読了日:11月11日 著者:安宅和人
自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)” align=”left” style=”margin: 0 5px 5px 0; border: 1px solid #dcdcdc;” src=”https://m.media-amazon.com/images/I/51e6Bxc2NHL._SL500_.jpg”></a><a href=自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)感想
圧力に負け背中を向けたならば背中を蹴られ、諦めて正面を向いたならば熱弁で顔面チュバだらけにされる。そんな内容を想像してましたがそうではなかった。最初から最後までまっすぐな氏の想い。読んでると氏の言葉がだんだんと別け隔てのないエールに感じられてくるようだった。氏の恋愛観・恋愛事情にも数ページ割かれており、そこでも彼の特異な考え方にふれることができる。氏の言う毒に惹かれてしまうが、踏み出すのは怖い。安定か破壊か。踏み出さずとも内に毒を宿すことはできるかも知れない。しかし、内なる毒はいずれ中和されて無毒になる。
読了日:11月10日 著者:岡本 太郎
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)感想
著者はメモの魔力に取り憑かれた狂気のメモ魔。本書で少しだけ実際のノートを紹介している。びっちり書いているわけではなく、見やすく書かれている印象を受けました。幼い頃、著者は綺麗にノートをまとめることを自分に課していた。それはなぜか。それは、ノートを見る人を喜ばせたかったから。見る人のことを想い考え、整理してノートを書く。そうして著者は人から喜ばれるという成功体験を積み重ねていった。時は流れ著者は今、研ぎ澄まされた思考力でメモを武器として昇華させる境地にまで辿り着いた。「継続は力なり」を感じさせてくれる内容。
読了日:11月09日 著者:前田 裕二
人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか感想
”腱は筋肉と骨をつなぎ、靭帯は骨と骨をつなぐ”。人体の前に靭帯のことすらわかってなかった。私が知らないことがたくさんありました。そして著者でも多くの学者さんでもまだ知り得ない人体の謎がたくさんあると知る。ヒトがヒトのことを完全理解する日ははたして訪れるのでしょうか。ボリュームがある本でだいぶ駆け足で読んだのですが、著者の語り口が軽妙で楽な気持ちでページをめくれました。ちょっと人体実験の話もあるのでときおり身悶えします。後半はウイルスやガン、睡眠そして寿命など人体構造ではなく人体に関連する話題になっている。
読了日:11月08日 著者:ビル・ブライソン
思考の整理学 (ちくま文庫)思考の整理学 (ちくま文庫)感想
序盤の「朝飯前」の考え方が面白くって試してみたくなった。朝飯を食べる前であれば、パフォーマンスの高い朝特有の明晰な頭脳で作業を行うことができる。朝飯を食べると消化にエネルギーを取られてパフォーマンスが落ちるので我慢する。一段落したら朝飯を食べる。そして寝る。起きたら日が昇っていようが沈んでいようが”朝”だと思い込む。そうするとホラ。また朝飯前がやってきた。なんて具合に朝飯前を繰り返す。これなら日に3回ぐらい朝飯前状態を作れそうじゃあないですか。すばらしい。思考整理のためのエッセンスの数々をありがたく吸収。
読了日:11月07日 著者:外山 滋比古
アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)感想
自分自身、今まで何か前兆を感じたことはなかったか。人生を少し振り返りながら少年の旅を見守っていました。少年はまっすぐ夢に向かって突き進めたわけではなかった。夢を追って迷い傷つき心変わりして諦めきれずに思い直して。そんな繰り返しで終わる人生に恐れながら。でも少年は良い前兆に出会い気付くことが出来た。信じれるものがあったから。心の奥底にでもいい。夢の灯火を絶やさずいよう。そうすれば自分の進むべき道に気付けるはず。諦めなければ思いは叶うなんて月並みだけれど、それはシンプルでとても強く何かを引き付ける力だと思う。
読了日:11月06日 著者:パウロ・コエーリョ
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣感想
見えてるようで見えてない本当の世界。センセーショナルなニュースの陰で知られることのない出来事もある。思うに本当に大事なことは刺激が薄いのかもしれない。だから気づけなかったり。そんな刺激の薄いことに着目して行動を起こす、著者のような方が世界を変えていけるのではないかと私は思う。”本物の問題に注目し、どうしたら解決できるかを考えよう”。思い込みは動物的本能も関わってくるはずだから抑えきれないにしても、はたと立ち止まり考えを巡らせてみるのが大事だと学んだ。すぐに著者のようにはなれないにしても近づく努力はできる。
読了日:11月05日 著者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)感想
私はこちらの作品より先に著者の「1Q84」を先に読んでいる。1Q84と繋がりがあるように感じられる場面がチラホラあってちょっと胸踊る感じ。とある男の名前が出てきたときには少し驚きました。今回は彼も無事でいられる世界線でよかったと安堵しております。過去からの因果のような繋がりとさらに平行世界的なものが両方存在している不思議物語というのが私の見解なのですけれど、もっと別の解釈もあるのかどうか気になるところであります。著者の頭の中、どうなってるんでしょうか。加納シマイ、人面犬、隻腕中尉、サワラ。妙な作品でした。
読了日:11月04日 著者:村上 春樹
ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)感想
第1部を読んだのはいつだったっけか。だいぶ内容を忘れていたけどなんとか思い出しながら読了。叔父さんの商売の話がなかなか面白くて印象的でした。それに、その叔父さんと語らう場面がいちばん現実っぽい気がしました。その他の場面は何か非現実的なところに迷い込んでは揺蕩うクラゲのような主人公の有様を鑑賞するような不思議な感じ。井戸の底でひとりぼっち助け無しの場面は、字を読んでるだけなのに閉所恐怖症の私にはなかなかのダメージでした。主人公のどこか抜けちゃってる様子にも、この先解決的なものが訪れるのでしょうか。不安です。
読了日:11月03日 著者:村上 春樹
ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ストーンサークルの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
普段読む小説と比べるとずいぶん分厚いなというのが第一印象。海外ドラマの一気観してるみたいな感覚になって引き込まれ、気づけば最終局面。終わるのがちょっと寂しかった。ちと陰惨な描写もあります。締め方も悶々とするものではなくてよかった。メインの二人はいいコンビで魅力的。あと二人を加えた四人チームってのもいいかなとなんとなく思っていたのだけれど・・。犯人の名前を「イモータン・ジョー」と見間違えたり、「どうするべきか、ググったの」が個人的にツボだったり。シリーズもののようなので、今後読む続編も楽しみでしょうがない。
読了日:11月02日 著者:M W クレイヴン
Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎 改訂第2版Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎 改訂第2版感想
”虫による皮膚炎の臨床経過や病理組織像を自らの皮膚で検討した結果を「実験」として紹介した”とある。Dr.夏秋(なつあき)氏は根っからの虫好きの皮膚科医。本図鑑で使用されている写真はすべて彼自ら撮影したもの。ハチの紹介から始まり、害のない虫の紹介、虫による皮膚炎と酷似する皮膚疾患の例と勉強になりました。強力な毒を持つ虫さんで「実験」はしていなかったのでほっとした。虫をただ嫌悪するのでなく、虫の生態を知って学ぶ。やむなく接触した場合の適切な処置は頭に入れておきたい。触っても大丈夫な毛虫がいることに驚きました。
読了日:11月01日 著者:夏秋 優

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