2023年10月読書メーターまとめ

10月の読書メーター
読んだ本の数:32
読んだページ数:9950
ナイス数:486

ぼくらの七日間戦争 (「ぼくら」シリーズ)ぼくらの七日間戦争 (「ぼくら」シリーズ)感想
この作品を映画でしか知らなかった。宮沢りえさんが出演していたのは覚えてる。他の俳優さんは随分昔のことなので失念。戦車が出てきたのと、大人が喚いていたのを覚えてる。そんな過去の記憶とともに読みました。面白い。これは映画と比べるもんじゃあないかも。映画と原作で伝えようとした事に違いがあるように思える。そもそも、原作通りに映画を作ったら色々まずいことになりそう。小説だからこれでいい。映画だからあれでいい。いやあ本当にいい意味で違うところだらけで楽しかったし、グッと来た。シリーズ作だけど他のもいい感じなのかなあ。
読了日:10月31日 著者:宗田 理
博士の愛した数式 (新潮文庫)博士の愛した数式 (新潮文庫)感想
好奇心からWikipediaで「オイラーの公式」ページを開いたらめまいがした。さらに調べると作中で出てくる式は「オイラーの等式」と呼ばれるものらしい。”幾何学、解析学、代数学の分野でそれぞれ独立に定義された三つの定数 (π, e, i) がこのような簡単な等式で関連付いている”(オイラーの等式Wikipediaページより)。なるほど美しいと言いたいところですが、ちょっと何言ってるのかわからない。けれど、この式があの場面でどんな意味を持っていたかをいつか私なりに解いてみたい。博士の無自覚キュン死言動も必見?
読了日:10月30日 著者:小川 洋子
本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)感想
まずは駿先生が選ぶ岩波少年文庫50選。割と多いな。いやまてよ、これはもしかしたらどれも紹介したい作品ばかりで絞りきれなかったのだきっと。50冊それぞれに短い説明を書いており、それぞれ思い入れがあるように感じました。若い頃に読んだ本って、内容は覚えてないけどその時のシチュエーションをなんとなく覚えてる時がありますね。本との出会いって思い出に残りやすいのかもしれません。児童文学を読もうという気持ちには普段ならないのですが、大人だからこそ気づけるところもありそうで興味が湧いた。でも読むなら純粋な心で読みたいな。
読了日:10月29日 著者:宮崎 駿
芸術と科学のあいだ芸術と科学のあいだ感想
「生物と微生物のあいだ」を思わせるタイトル。学者さんて文章力も高い人が多いのか、それとも著者が特別製なのか。これまでに著者の本を2冊読んでおりますが、今回も知識欲をうまく刺激される本で楽しめました。今回は少し趣がハイソな感じ。そこも今までと違っててよかったかなと思います。芸術を語りながらも時折、生物学者としての視点が見え隠れするのがスタイリッシュ。なんかカタカナ語にたくさん触れたからでしょうか、無理やりカタカナ語を使いたくなった。目を奪われる心を奪われる、そんな芸術に自分もお近づきになりたい魅了されたい。
読了日:10月28日 著者:福岡伸一
乱読のセレンディピティ (扶桑社文庫)乱読のセレンディピティ (扶桑社文庫)感想
よく見かける”若い人が本を読まなくなった”という文章。本書にも書いてある。何かしらの書物に目を向けてはいるのだけど、それが糧になっていないことを懸念してのことなのかな。私はそう解釈している。正直、わかりそうでわからない本でした。エッセイなのかな。読まされてる感じでなく、自分なりに「著者はこういうことを言いたいのかな?」と考えながら読む感じでした。読者が知識のスキマを埋めようと奮闘努力することが糧になる読書に繋がるなら、内容のわかりきった本ばかり選ぶでなくジャンルにとらわれない「乱読」がいいのかもしれない。
読了日:10月27日 著者:外山 滋比古
13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海感想
以前読んだ地政学の入門書と比べると、ニュートラルというかだいぶ柔らかい内容だなという印象でした。地政学への入り口として、このぐらいが私にはちょうどいいかもしれない。中年の日本国民として耳が痛い内容もある。母国語だけでそれほど苦労せず生きてこれた。それはとても恵まれたことだ。お隣の国のことも、うわべだけの情報しか知らないまま。国と国が勝手に仲良くなることを期待するだけだ。自分自身が他民族の言葉を知り文化を知る。グローバル化という流れの中で経済的な結びつきだけでなく人間同士の交流ももっと深まっていってほしい。
読了日:10月26日 著者:田中 孝幸
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルールDIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール感想
タイトルから、死について考えさせられる内容かと想像してましたがそんなことはなく。ワクワクするような人生を送るための考え方を学べました。本を開いて一番初めに目に入る一文が好き。著者が一番伝えたいこと。この言葉にとても共感できた。私の場合この本に出会うのが遅すぎた気がしますが、今からでもできることはあるはずなので行動してみようと思う。死ぬ間際になって後悔だらけになってしまわないように、今このときも貪欲に自分の人生を豊かにすることに時間を使っていこう。人生1回こっきり。”人生で大切なのは、思い出をつくることだ”
読了日:10月25日 著者:ビル・パーキンス
中学生の知識で数学脳を鍛える中学生の知識で数学脳を鍛える感想
「数学って将来何の役に立つのですか?」の問いに、「何の役にも立たないよ」と返していた著者。だがそれは、質問者が数学の勉強をしないで済む言い訳を探していると感じていたからそう答えていたとのこと。物事の本質を捉えて理解する力を養えるのが数学。問題を解きさらに良い解法を考えたり、丸暗記せずになぜそうなるかを考えること。それが将来社会に出てさまざまな課題に対して論理的に考えるようになる素地として機能するのだと思う。私は今になって低いレベルから色々学び直そうともがいているが、若い世代にも触れてほしい本だと感じた。
読了日:10月24日 著者:鈴木 貫太郎
まったくゼロからの論理学まったくゼロからの論理学感想
先日著者の哲学に関する本を読んでわかりやすかった(すべて理解できたとは言えないけれど)ので、論理学を扱った本書にも挑戦。ほんとにゼロからの挑戦ですが、ページ数は少ないしこれはいけると思ってました。それがどっこい開始7ページ目(内容的には170ページ前後の本です)で雲行きが怪しくなり、20ページ目ぐらいで天を仰ぎ見ました。Ohド・モルガン。あ、でもド・モルガン聞いたことあるような・・。途中まで読んでみて、これ以上易しい論理学の本は無いだろうなと感じた。図書館から借りた本ですが、購入してじっくり学ぼうと思う。
読了日:10月23日 著者:野矢 茂樹
「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 日本縮約版「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 日本縮約版感想
死を考えるときに思い浮かぶのは、漫画ワンピースの名場面のひとつ、Dr.ヒルルクの「人はいつ死ぬと思う?」を含む一連の台詞。それに対する彼の答えは「人に忘れられた時さ」なのだけれど、それはちと置いておこう。著者が導き出した死についての哲学。これが正しいと主張するわけでなく、多くの聴者の賛同を得られると信じて語っている。そして読者も死について自分なりに考えてみてほしいと述べる。先述ヒルルクの言葉も答えのひとつかもしれない。死について考え出すとキリがなくて困るのだけれど、いい人生だったと言える形であればと思う。
読了日:10月22日 著者:シェリー・ケーガン
沈黙の春沈黙の春感想
本書で何度も取り上げられて、その毒性を指摘されているDDTという殺虫剤。戦後満州からの引揚船に乗った人たちが、シラミ駆除のためにDDTを吹付けられたという話を別の本で見た。マラリアを媒介する蚊にも有効で、多く利用されたという情報も目にした。健康被害・環境への影響が発見されなければ、安価で大量生産できる優れた薬剤としてもっと長い期間世界中で使われていたかも知れない。”自然そのものにそなわる力を利用する”ことが最善であるように思えるが、人間が作り出したもので対応するよりも多くの労力と時間を費やしてしまいそう。
読了日:10月21日 著者:レイチェル カーソン
禁猟区禁猟区感想
警視庁警務部人事一課調査二係。通称「監察」という警察内部を取り締まる部署が関わった案件。短編で全4話。話数が進むごとに少しづつ監察所属の人々に焦点があてられていくスタイル。第1話”禁猟区”を読んだだけでは、「監察」で繋がっている短編集だとは気づけなかった。それよりも禁猟区というタイトルを回収した箇所を読んで私は一瞬思考が停止した(もっと深い意味のあるタイトルだと思っていた私が悪い)。シリーズ化してほしい気もするけれど、読み終えた感じではこれ以上の広がりはなさそう。面白かったので他作品も読んでみたいと思う。
読了日:10月20日 著者:乃南 アサ
非才!―あなたの子どもを勝者にする成功の科学非才!―あなたの子どもを勝者にする成功の科学感想
季節の変わり目、調子が少し落ちたりするので注意が必要。今日は少しけだるいなと思いつつ、本書を読み始める。なんだろう読んだ気がする。うん、昨日読んだよこの内容。どうやら昨日読んだ「才能の科学」は、この「非才!」を改題して復刊したものらしい。ある意味再読かなと思いながら読む。どちらかと言えば、才能の科学のほうが読みやすいかもしれない。英題BOUNCE。訳して”跳ね返り”だとしっくりこない。でも、使い方によっては”影響を及ぼす”という意味にもなるらしい。傑出した能力に影響を及ぼしているもの、と考えるとしっくり。
読了日:10月19日 著者:マシュー サイド
才能の科学;人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法才能の科学;人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法感想
才能が科学で説明できるのか眉唾ではありますが、夢があって凡人な私はうれしい。老い先短し者としては、後天的に才能じみたものを得られると知ったら喜び勇みます。よく目にする10000時間の法則、積み重ねこそすべて。才能派か努力派かによって意見が分かれそうな内容だと思う。才能というものはない。いや、一瞬惑う。遺伝的能力差はやはりあるんじゃないかと。訳者あとがきも本書の内容を全肯定するものではなかった。質の高い環境、意味のある練習などは効果的なアプローチだと思った。可能性を広げるヒントがあるかもしれない1冊でした。
読了日:10月18日 著者:マシュー・サイド
失敗の科学失敗の科学感想
歳をとると失敗するのが嫌になる。だいぶ落ち込む。些細なことでも指摘されると、ああ俺ってばこんな失敗するとかなんてダメなやつって考え込んじゃいます。指摘される前に自分から失敗を認めて謝罪するのが一番ダメージが少ないかなと思う。私の個人の失敗観はさておき、組織で起こる失敗は人の生死に関わることも少なくない。失敗を通り越して大事故や事件に発展することだってあるはず。組織が存続するためにも、起きた失敗から学びを得ることが必要だ。しかしそれ以上に未然に失敗を起こさない枠組みや仕組みを考えることも必要だと感じました。
読了日:10月17日 著者:マシュー・サイド
月の満ち欠け月の満ち欠け感想
人は死んだらどうなるんだろうと思うときがある。意識がふっと消えて無くなってそこから何も考えられなくなるのかな。できることなら生まれ変わりたいですね。でも、虫になるのはちょっと勘弁かもしれない。何度も生まれ変わって思い慕った人の元へと帰る。なんだかドラマチックでいい。ただ、本書の生まれ変わりはある一定の年齢までは完全に前世の記憶が戻っていない模様。さらに想い人に認識してもらうまでに4世代かかっている。そううまくはいかせないぞという何かしらの力を感じます。私なら生まれ変わったら別の人生を、と考えてしまうかも。
読了日:10月16日 著者:佐藤 正午
決断力 (角川oneテーマ21)決断力 (角川oneテーマ21)感想
”詰将棋はその日の調子を知るためのリトマス試験紙になる”。久しぶりにちょっとWeb上の詰将棋をやってみた。楽しい。詰将棋は周囲の状況を観察する力が必要な気がします。小学校のころ将棋が何故か人気で、将棋クラブは男子ばかりだけど対戦相手に困らない程度に人がおった。強い人に何度も負けて負け続けて、悔しいけど人の打ち方をマネるようになった。無論マネてばかりじゃ勝てないので、自分で考えて戦うようにすると勝つことが増えた。うん。その・・本書のタイトルと繋がらない話なんですけどね。将棋って色んな力を養うのにいいと思う。
読了日:10月15日 著者:羽生 善治
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)感想
6編の短編小説。短編集だと思わずに読みはじめ、2つ目の話でようやく気づきました。私の場合、短編を読むとき集中して読んでないと内容つかめないまま終わってしまうことがある。1つ目の話は集中してなかった様でほとんどつかめてない。6編それぞれ違った趣なので、合う話合わない話あるかもしれません。やっぱ表題の話はトリを務めるだけあってグッときた。難民というワードが出てくる話なので、世界のその、そういった紛争とかも現在進行系である事なので一層心に残る話になりました。自分にとって大切な事や物を見つめ直すきっかけになった。
読了日:10月14日 著者:森 絵都
新装版 矢沢永吉激論集 成りあがり How to be BIG (角川文庫)新装版 矢沢永吉激論集 成りあがり How to be BIG (角川文庫)感想
なぜかタイトルに激論とある。誰かと激しく議論を交わす内容ではない。読んだ感覚としては自伝だと思った。でもあれかも。本を通じてYAZAWAから読者に対して議論を投げかけているとも受け取れる。俺はこんな人生を貫いてきた、お前はどうする?みたいな。一言、「YAZAWAかっこいいな」ですませてしまうにはもったいない。なぜ自分はスターではないのか、スターとは自分とはかけ離れたものなのか。そういった疑問を自分に投げかけるチャンスであると感じる。あとがきが糸井重里氏で「おっ」となったが、YAZAWAの熱量が勝っていた。
読了日:10月13日 著者:矢沢 永吉
老人と海 (光文社古典新訳文庫)老人と海 (光文社古典新訳文庫)感想
老人と海というタイトル通り。読み終えて本当にタイトル通りで「んん?」となった。洋上へ出発するまでは人との会話もあるけれど、海へ漕ぎ出してからはひたすら海と語らう老人。海は多くの生き物を育んでいる。陸と海を行き来する老人もまた海に生かされているのかも知れない。老人は先日まで一緒に漁へ出ていた少年のことを思い出し、少年がいまここに居てくれたならとしきりに思う。しかし後半はだんだんそれが薄くなる。鮫の撃退に必死だったからかも。状況を想像するに精神的に追い詰められてもおかしくなかったのでは。しかし無事で何よりだ。
読了日:10月12日 著者:アーネスト ヘミングウェイ
多様性の科学多様性の科学感想
多様性を阻害する要因として認知バイアス、いわゆる偏見があるのではないかと私は思う。偏見による過小評価で合理的な選択がなされず多様性が失われ、集団知を最大限引き出せない環境を作り上げてしまっている。本書ではそういった環境から重大な危機を招いてしまったり、新たなイノベーションが生まれなくなっていることを例を上げて解説している。自分に身近なところで言えばSNS上でのエコーチェンバー現象のあたり。画一化された意見をもつ集団が、反対意見を全てはねつけながらさらに増幅していくあの現象。硬直した思考は害を及ぼしていく。
読了日:10月11日 著者:マシュー・サイド
羊は安らかに草を食み羊は安らかに草を食み感想
読み終えてふと思う。この表紙ネタb、いえやっぱりなんでもないです。背表紙にもこっそり鐘らしきものが見えるような。キーワードは認知症、俳句、終戦後の満州、友との絆かなと思う。終戦後の満州のくだりは読んでいて辛いですが、それを乗り越えるなんて奇跡としか思えない。私は当時の極限状態を描く作品を読んでいて思うことがある。この世に戦争が無かったなら、こんな感情を抱く読書も無かったのだろうかと。狙ってないけど最近読んだ本が悉く戦争を扱う本ばかり。海外に目を向ければ今も止まぬ争い。それらが相まってなんとも。やるせない。
読了日:10月10日 著者:宇佐美まこと
湖の女たち湖の女たち感想
七三一部隊が気になり調べた。作中でも触れられている通り、第二次世界大戦期に存在した人体実験を目的とした研究機関でした。ノモンハン事件で生物兵器を使ったとの情報もあります。ノモンハン事件ですぐ思い出したのは、先日読んだ村上春樹著「ねじまき鳥クロニクル第1部」。続きをまだ読んでいないのですが繋がりを発見できるといいな。さて。本書の内容を表すなら”隠す”でしょうか。嘘を隠す、本性を隠す、事実を隠す。隠し通すことは大抵、辛く険しかったりする。お前さんも何か隠してるんだろう。そう問われているような気がする本でした。
読了日:10月09日 著者:吉田 修一
「みんなの意見」は案外正しい「みんなの意見」は案外正しい感想
みんなの意見をまとめて均すと案外正しい答えにたどり着く、というちょっと信じられないような話で面白い。集団も個人もトータルで見れば一長一短だと思いますが、寄り集まれば凡人達が秀才に勝つこともありえるということは凡人にとって朗報かも。先に、信じられないような話で面白いと書いたのですが、個人的には集団になると人は知性や秩序を失うというイメージが強かった。それを改めて新しい視点で見ることが必要だなと感じる。集団が大きければ大きいほどより正しさに近づくのかな。逸脱した意見がどう作用するのかも知れたら面白いなと思う。
読了日:10月08日 著者:ジェームズ・スロウィッキー,小高 尚子
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)感想
なんかピースっぽいものをたくさん見せられたけど、どれも繋がらなくて困惑する。ねじ巻き鳥も得体が知れない。猫ちゃんどこ行ったのよ。もしかして猫ってあれか猫の町か。てゆうか冒頭の”一九八四年六月から七月”が気になってしょうがない。そんなこと書いてあるもんだから猫の町を思い出しちゃったんですよ。何かしら繋がりでもあるんだろうか、あの作品と。ノモンハン事件?戦争?もどう繋がるのか予測不能でワクワクします。続きを読むまでなるべくネタバレに触れないように逃げてまわろう。続きを早く読みたいな。少し先になりそうだけれど。
読了日:10月07日 著者:村上 春樹
新しいLinuxの教科書新しいLinuxの教科書感想
文字(コマンド)を黒い画面に打ち込んで処理を行わせる。この半端ないとっつきづらさ。Linux初心者がつまづく原因のひとつだと私は思う。Ubuntuに幾度も挑戦しては挫折を繰り返したあん時の自分に、”こんな本があるよ!”と差しだしてあげたい。CentOSで学習するのですが、Linuxの本質的な部分を学べるように作成されています。通読して思ったのは、黒い画面にだいぶ馴れたとは言え私はまだ初心者の域を出ていないということ。でも、ひたすら手を動かしていれば必ず、Linuxが便利で楽しいものだとさらに気づけるはず。
読了日:10月07日 著者:三宅 英明,大角 祐介
<新訳>ガリア戦記” align=”left” style=”margin: 0 5px 5px 0; border: 1px solid #dcdcdc;” src=”https://m.media-amazon.com/images/I/51CEsRc8wfL._SL500_.jpg”></a><a href=<新訳>ガリア戦記感想
ページ数が割とありますが足早に読んでしまった。ユリウス・カエサルによるガリア遠征7年の記録で、ひたすら戦闘です。本当に飽きるくらい戦闘の話です。移動手段が己の脚か馬の時代にあれだけ広範囲の遠征を行い、ヨーロッパをほぼ平定するに至るって。かなりの運の良さもさることながら、多くの優秀な仲間にも恵まれたのではないかと思う。”ブリタンニー人はすべて、タイセイ草で身体を青く染めている”など各地の民族の特徴なども記されている。はしがきにて”この時代の歴史資料としても読める”と書いてある通り、重要な書物だと感じました。
読了日:10月06日 著者:ユリウス・カエサル
ドーパミン中毒 (新潮新書)ドーパミン中毒 (新潮新書)感想
私は依存症になってはいないよな(安ワインの空瓶をながめながら)。何か楽しいと思うことに没頭するのも、仕事に没頭するのも、中毒の範疇に入ってしまうのではないかと思えてきてしまう。何かの依存にハマっている状態を自覚できない場合はどうするのだろう。本書では治療ケースが複数紹介されていて、ほとんどが近しい人からの助言で診療を受けているようだった。そういった助言をしてくれる下地のようなものが我が国にもあるだろうか。少しでもこのような本が多くの人に読まれ、自分をまたは誰かを救おうという気持ちが生まれることを切に願う。
読了日:10月05日 著者:アンナ・レンブケ
春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
面白かったです。ロマンチック・サスペンスと裏表紙に記されている。何気なく進む夫人ひとりの旅道中。何が起きるんだろう、ワクワクしながら読み進める。中盤から夫人の回想がメインとなり、少しづつ夫人の心情が変化していく。不思議と引き込まれた。こんな作品も書いてらっしゃるのかと、その点にも驚きました。内容についてはこれ以上触れないでおきたいと思います。気が向いたら読んでみてほしいな。読み終えたあともう一度読み返すと、二度楽しめそうな作品だと思いました。読後、イギリス人ってどういう人達なんだろうって興味も湧いてきた。
読了日:10月04日 著者:アガサ・クリスティー
女工哀史 (岩波文庫 青 135-1)女工哀史 (岩波文庫 青 135-1)感想
タイトルからブラックな工場とそこで働く女性労働者の哀しみを凝縮したものだと推測しました。内容は想像していたレベルを遥かに超えていた。賭博黙示録カイジの世界が生易しく見える。いや比較してはいけない。労働力を搾り取られ抑圧され逃げるに逃げられない。先述”ブラック”は現代的な表現だと思う。本書で語られるこの惨状がどんな言葉で表現できるかわからない。序盤は紡績業について、組織形態の説明から入るので闇を感じづらい。第三章「女工募集の裏表」から辛い話がどんどん出てきます。著者蒐集の附録「女工小唄」に我知らずため息が。
読了日:10月03日 著者:細井 和喜蔵
はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)感想
ああ、頭が疲れたけど読んでよかった。ぱたり。そのまま眠ってしまいたいけれど、どうにか感想をひねり出してみようと思います。小さななことから大問題(その時点での)まで今までたくさん考えたことがあった。考えないで生きていけるならその方が楽だなって正直思う。でも、それはたぶん無人島にでも行かない限り叶わないかもしれない。ならいっそ考えることと向き合おうと思っていた。いいタイミングで本書に出会えた気がする。言葉が易しくて読みやすいです。たまに少しだけ脱線したりするけど楽しく学べた。「変だ」を感じるための変な本です。
読了日:10月02日 著者:野矢 茂樹
世界を変えた10冊の本 (文春文庫)世界を変えた10冊の本 (文春文庫)感想
東日本大震災の数ヶ月後に出版された本書。「私たちは不安と混乱の中にいます。こんなときだからこそ、活字の力を見直したい。書物の力を再認識したいと思っています」本を開いてすぐこの一文が目に入る。世界を変えた、内容を知っておいて損はない書物10冊とのこと。ようやく名前を知っているのが数冊ある。内容に関して言えば、ほとんど知らないと言ってもいい。聖書やコーランを自分が読む日はやってくるのかと思うと同時に、信仰というものが世界に少なからず影響を与えていることを改めて知る。確かに、内容を知っておいて損はなさそうです。
読了日:10月01日 著者:池上 彰

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