2023年9月読書メーターまとめ

9月の読書メーター
読んだ本の数:34
読んだページ数:9132
ナイス数:418

容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)感想
ガリレオシリーズの小説を読むのは今回が初めて。ドラマ版を観ていたはずですが内容は殆ど覚えていない。映画真夏の方程式だけは何度か観ている。たぶん杏さんが好きなんだと思われます。本作品は映画で一度観ていたはずですが、大事な結末を覚えていませんでした。今回改めて小説で触れてみて当初感じたイメージとは変わってしまったように思う。私は容疑者と湯川教授の頭脳戦という面に気を取られ過ぎていた。感じるべきは友人の心の内と湯川教授の複雑な思いだったのかも。後半の展開はどうしようもなく悲しい。もう一度映画観直してみようかな。
読了日:09月30日 著者:東野 圭吾
クトゥルフ神話ガイドブック 改訂版クトゥルフ神話ガイドブック 改訂版感想
クトゥルフ神話とは何か。作家ラヴクラフトらによる創作怪奇譚および派生作品群である。で、いいのでしょうか。この本読んだだけでは、わかったつもりにすらなれない気がします。神話だから神的な何かの話かと思いきや、描かれるのは邪神とも呼べそうな異形の者や狂気に駆られた人々。モンスターなどのパワー系怖さではなく、得体のしれない精神的恐怖。本書は作品そのものではなくガイドブックのため概説にとどまっているが、作品が醸し出す陰鬱な世界観がわずかながら伝わってくる感じ。精神的な怖さは苦手なのでこれ以上は踏み込まないでおこう。
読了日:09月29日 著者:朱鷺田 祐介
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (新潮文庫)ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (新潮文庫)感想
おそらく私の世代のほとんどが囲われた世界で育って、自分たちと違うものに対して良くない偏見を持ち、良くない接し方をして生きてきたのではと個人的に思う。歳をとるにつれて、己の無知に気づくにつれ、その考えはだいぶ変化してきた。ただ、拭いきれない部分もいまだに多い。多様性と声高に言われると、その拭いきれない部分が鎌首をもたげてくるような感覚がある。実際に差別意識は根源にあり、上塗りされた何かで表面を取り繕ってるだけかもしれない。”ややこしいしやりづらいけど、多様性を排除すると無知になる”のくだりが心に残りました。
読了日:09月28日 著者:ブレイディみかこ
動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか感想
”汝とは、汝が食べた物そのものである”、”「太ること」のメカニズム”など、序盤を読んでるとダイエット本かと勘違いしてしまう。食べた物が「身につく」、食物が通り抜けていく器官は体内でなく外部、タンパク質は貯蔵できない。知ってても理解していなかったこと、はじめて知り得たことがたくさんあり良い学びになりました。人間だけでなく生物は”部品”が寄り集まって出来ている。その部品は時間とともに損傷し秩序を保てなくなっていく。秩序を保てなくなるということは死する事。そして動的平衡を保てる別の個体へと生命は移行してゆく。
読了日:09月27日 著者:福岡 伸一
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」感想
フェルミ推定関連はこれで3冊目になる。超入門書「10歳からのおもしろ!フェルミ推定」、問題集「地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」、本書は参考書という感じ。入門書等を読んで「フェルミ推定に興味湧いたし有用だと感じたけれど、自分には扱えそうにないな」と思った私のような方に本書をおすすめしたい。本書の内容は「こんな感じで計算するのがフェルミ推定というものです以上」ではなかった。結論から・全体から・単純に、具体から抽象そして具体へ等、思考力を鍛えていく内容であった。地頭力という言葉はとりあえず置いといて読むのが吉。
読了日:09月26日 著者:細谷 功
数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた感想
”ものごとをメタ認知するには何かと比較することが欠かせず、自分たちがAであれば、そうではないnot Aを理解しないと、Aのことは理解できない”「視点という教養」より。父エヴァレットとともに、数を持たない民族ピダハンと長い間暮らしていた著者。ピダハンはまさしくnot Aであったのではないだろうか。難しい話が多かったですが、”ヒトは1や2や3は正確に、それ以外の量はおおまかにとらえるように生まれついている”というのは興味深い。著者の父の書「ピダハン」の訳も手掛けた屋代通子さんの訳者あとがきも感慨深かったです。
読了日:09月25日 著者:ケイレブ・エヴェレット
ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観感想
アマゾン奥地に住む少数民族ピダハン。著者はピダハンにキリスト教を布教するため伝道師としてアマゾンへ。言語学の研究者ではない。加えて家族全員でピダハンと共に生活するという。ゆくゆくは聖書をピダハン語に翻訳し信仰につなげていく。その目的ははたして達成されるのか。本書はピダハンの言語を紐解く話だけでは終わらない。彼らの死生観、信念、判断、考え方、強さに猛烈に心を揺さぶられました。幸せって人生って何だろうと物想いにふけり、信じていたものに疑念を感じるようになっていく。著者の息子も本を書いているので続けて読みます。
読了日:09月24日 著者:ダニエル・L・エヴェレット
解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法感想
”曖昧な思考を明晰にする(はっきりさせる)”方法がこれでもかってぐらい載っています。方法がいっぱい紹介されているのでピンときた方法から試していく、行動していくのがよろしいのではないかと思いました。私がピンときたのはMVP(Minimum Viable Productの略)という、最小限機能するものを作ってそれを使ってもらい、フィードバッグを得てそこから徐々に良いものに改善していくっていうスピード感あふれるもの。実行・行動を高速サイクルさせてプロダクトの解像度を上げていくというアグレッシブさにワクワクする。
読了日:09月23日 著者:馬田隆明
16歳からのはじめてのゲーム理論 "世の中の意思決定"を解き明かす6.5個の物語16歳からのはじめてのゲーム理論 “世の中の意思決定”を解き明かす6.5個の物語感想
ゲーム理論ってなんぞや?から始まって読んでみました。正直に言うと、読む前までは”娯楽としてのゲーム”の理論的なやつだと思っておりました。最近、ボードゲームやTRPGに興味を惹かれ、そのあたりの知識が欲しくて選んだ中の1冊が本書だった。いざ読んでみたら、経済学の最重要理論と書かれていておったまげた。経済学がくるとは予想してなかったです。予想外なのに予想外に興味を引かれる話でした(著者のせいで読みたい関連本が増えた)。一部頭がこんがらがうような話もあるのですが、イラスト付きでわかりやすくされていると感じます。
読了日:09月22日 著者:鎌田 雄一郎
パレード (幻冬舎文庫)パレード (幻冬舎文庫)感想
おかしなところはなかった、なかったはずなのに。少し警戒しなければいけないような場面もあったかもしれない。まんまとやられてしまった感じです。割とサラサラと読めて、飽きそうになったところに少し刺激が入り、作品の内容に対して思い違いを抱えたまま最後にとどめを刺されるという。読み返したい気持ちがありますが悔しさに身を捩りながら読了にしたいと思います。別の作品も読んでみたいです。今回、作者のことを何も知らずに読んだので良かったのかもしれない。小説をあまり読まないので、これを機に知らない作家さんに色々挑戦してみたい。
読了日:09月21日 著者:吉田 修一
1日3分読むだけで一生語れる モンスター図鑑1日3分読むだけで一生語れる モンスター図鑑感想
モンスターの沼へといざなわれる。雑魚からラスボス級までモンスター102種類。神話・伝承・創作の大きく分けて3つの分類から選りすぐりされたものと言ってもいいんじゃないかと思います。個々のモンスターに細かな説明がなされているので、本書を離れさらに探究していくとすっぽり沼に落ちることができるでしょう。アプサラス・エアリアル等、某宇宙世紀譚で見かけるような名前のモンスターもいます。雑学として受け取るもよし、創作のネタとして覚えておくもよし、暇つぶしに1日3分読むもよし。冒険者のストーリーもあわせて楽しめたりする。
読了日:09月20日 著者:山北 篤,細江 ひろみ
脳は世界をどう見ているのか: 知能の謎を解く「1000の脳」理論脳は世界をどう見ているのか: 知能の謎を解く「1000の脳」理論感想
表紙の絵が何か得体のしれない不気味なものを連想させる。未だ謎の多い脳というものをうまく表現しているようにも取れる。”知的好奇心のある一般読者向け”に書いたと著者は冒頭で記しているが、頭に入ってこない部分もあって少し悔しい。AIに関するところは興味があったので面白かった。据え置きのコンピュータと同性能のものが携帯できるようになる、と予見した著者が語るAI論は信ぴょう性があるように思われた。古い脳と新皮質がせめぎあった末、私たちはやはりケーキを食べてしまう。古い脳を理解し操ることができたら楽しそうな気がする。
読了日:09月19日 著者:ジェフ・ホーキンス,Jeff Hawkins
知識人とは何か (平凡社ライブラリー)知識人とは何か (平凡社ライブラリー)感想
那須川天心選手のボクシング戦がありましたので、観戦しながら読んでいました。判定勝ちした那須川選手がインタビューで「自分はもっと強くなってベルトを穫るのでみなさんも自分のチャンピオンベルトを目指して歩んでください」みたいな言葉を残していました。ベルトを穫るってことは誰かに認めてもらう必要があります。知識人も誰かに認められてはじめて知識人なのでしょうか。本書ではそのあたりについて語られているような気がします。格闘技と同列で語ることはできないかもしれませんが、知識人も知識という力を駆使してたたかう闘士なのかも。
読了日:09月18日 著者:エドワード・W. サイード
どうぶつのおちんちん学どうぶつのおちんちん学感想
タマタマ学から本書へと続けて読んでみる。たいぶ内容が似ています。対交流熱交換システム説明の絵がタマタマ学とまったく同じで驚き。これはたまたまなのかと思ったら、タマタマ学とおちんちん学ともに緑書房さんから出版されている書籍だった。調べてみると、こういう生物関係の書籍を多く出版されているのですね。本書は専門用語が多いですが、ふりがなも振られていて説明も丁寧で読みやすい。排泄という面での話は少なめで、大部分は生殖に関する内容となっている。ページ数は少ないけれど知らなかったことに溢れていてだいぶ勉強になりました。
読了日:09月17日 著者:
進化のたまもの! どうぶつのタマタマ学進化のたまもの! どうぶつのタマタマ学感想
「それは私のおいなりさんだ」という言葉をまさか本書で拝見するとは思ってませんでした。ちょっとくだけた感じで語ってくれる著者のおかげで楽しく読めます。カストラート、宗教上の理由、宦官などの去勢に関する話題ですこしづつ精神的ダメージを受ける。その後ブチハイエナのメスの股間にオスと同じようなものがついているという話題。その話は知っていたんですが、出産もその器官を通して行うということを知って大ダメージを受けました。この部分を読んだ男性陣の意見を伺いたい。おそらく私と同じような思いを抱いたのではないだろうか。ふぅ。
読了日:09月17日 著者:丸山 貴史
論理哲学論考 (光文社古典新訳文庫)論理哲学論考 (光文社古典新訳文庫)感想
内容が理解できなくても読んでみよう。今まで読んできた本の中で何度かその名を目にしていた書物。いまだ哲学という分野に馴れないのですが、すべてに目を通してみると少しひっかかりのある部分もある。序盤はなんのことやらさっぱり。だけど、6.xを超えたあたりから少しだけ何かが拾える気がする。”死は人生の出来事ではない。死を人は経験することがない。(6.4331の一部)”は、「ああ、なるほど言われてみればそうだ」と思える。しかし著者が伝えたいのはそういうことじゃないのでしょう。すごくモヤモヤするのですがどうしましょう。
読了日:09月16日 著者:ルートヴィヒ ヴィトゲンシュタイン
知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと (文春新書)知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと (文春新書)感想
3万冊の文献に目を通す。1日1冊計算で82年ぐらいかかる。立花氏は享年80歳であるので1日1冊のペースではないはず。100冊を書くというのも1年に1冊のペースではないでしょう。すさまじい。第4章ぐらいまでは読んだ本を列挙したり、若き日の海外探訪歴を語る。だいぶエネルギッシュな印象を受けます。青年時代にいろんなことを経験されたようで羨ましい。そこで培った知の礎がしっかりしているからこそ、多くの課題に向き合えたのではないかと思う。氏がジャーナリストという肩書を持つからでしょうか、文章から力を感じる気がします。
読了日:09月15日 著者:立花 隆
現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!感想
「地頭力を鍛える」という本も手元にあるのですが、本書のほうが読みやすそう(逃避)だったのでこちらから。前半30ページほどでフェルミ推定の基本体型を学ぶ。フェルミ推定のすべてではなく基本の部分を学ぶので初学者にはうれしい。中盤の50ページでは先述の基本を踏まえて例題を解いていく。後半40ページぐらいは練習問題となっており、すこしレベルアップした内容となっている。フェルミ推定の考え方を身につけるには、やはり問題を解いていくことが重要であるように感じる。ありふれた日常のなかにもたくさんの問いが生まれそうな予感。
読了日:09月14日 著者:東大ケーススタディ研究会
1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術感想
限られた勤務時間でいかにして生産性を上げていくか。時代の流れはそんな風に変わってきています。なるだけみじかくまとめてわかりやすく。社内外問わず円滑にコミュニケーションをとれることが、これからのビジネスマンにとって大事な要件になるのかもしれない。自分の周囲を見回してみて、著者のように伝える技術を日々研鑽している人はおりますでしょうか。こういった技術はなかなか文字文章だけでは感覚をつかみにくいと感じる。この本で大筋を学んだあと、伝える技術に秀でた人を近場で探しだし、マネして工夫しながら煮詰めていくとよいかも。
読了日:09月13日 著者:伊藤 羊一
人生の土台となる読書 ーーダメな人間でも、生き延びるための「本の効用」ベスト30人生の土台となる読書 ーーダメな人間でも、生き延びるための「本の効用」ベスト30感想
著者の人生の土台となった本を自身のエピソードととも紹介する。著者は、他人と直接関わることに難があったから本にのめり込んでいったと語る。彼が読書によって自分を形作っていった事はすごいと思う。そのうえ自分で本を書いて世に送り出すとは。彼自身が読書で変わることができたように、自分以外の誰かにも読書で変わってほしいと願って書いたのでしょうか。人それぞれ理由もあって本を読まないことがあるでしょう。けど人と関わることに疲れて、人生に行き詰まってどうしようもないときに。ひと目見て心が動いた本のページを開いてみてほしい。
読了日:09月12日 著者:pha
現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)感想
先に論語を何かしらの形で学んでおけばよかったかもしれない。現代語訳となりおそらく読みやすいです。しかし、読みやすくされたことにより逆に頭に入ってこないという方もおられるのではないか。そんなときは原文(おそらく原文)を読んでみましょう。国立国会図書館デジタルコレクションとしてWeb上に収蔵されております。漢字には親切に振り仮名が振られているが、漢文がちらほらあって読みづらいのは間違いない。でも私にはこちらのほうが文章にリズムを感じられて好きだ。誰かにこれを朗読してもらい、それを聞きながら眠りたいとさえ思う。
読了日:09月11日 著者:渋沢 栄一
書籍修繕という仕事: 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる書籍修繕という仕事: 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる感想
著者は個人で本の修繕を行う前は図書館の所属スタッフとして蔵書の修繕をしていたという。修繕したあと書架に戻し、次の出番を待つ図書館の本。一方、依頼人から「なおしてほしい」と持ち込まれる本。どちらも大事にされているのに違いはないはずだけれど、持ち込まれる本からは持ち主と過ごした時間や思い出、そういったものをもっと強く感じそうな気がします。本が修繕され以前のように気楽に読める姿を取り戻したとき、依頼主はどんな思いとともに受け取るのでしょうか。そういう人と物との関係を取り持つ仕事ってなんだか素敵だなと思いました。
読了日:09月10日 著者:ジェヨン
「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考感想
アートをだいぶ身近に感じられた。表層ではなく見えない根っこの部分を見ようと思考すること。なんだか美術館へ足を向けたくなる。自分でも気づかないうちに色眼鏡を通して物事を見るようになっていた。でも、自分の気持ちのおもむくままに感じて、自分がいいと思ったものを素直にいいと表現していいんだ。何がいいのか分からなかったアートの世界が、考え方を変える助けになるなんて思ってもいませんでした。これから少しずつでも色眼鏡から物事をまっすぐに見れる眼鏡に変えていけたらいいな。大人でもきっと感じるものがある本だと私は思います。
読了日:09月09日 著者:末永 幸歩
図書の修理 とらの巻図書の修理 とらの巻感想
主に児童書をターゲットにした書籍修繕の本を先日読ませてもらった。標準的な作りの本の修繕に関しても知りたかったのでこちらの本を。内容はイラスト中心。正直、イラストより実際の作業風景を写真で見てみたかった。ライトに読めてこれはこれでいいのかも。修繕の道具もプレス機以外は簡単に手に入りそう。扱う道具自体は前回読んだ本とほぼ変わらないので、修繕の方法も似たような感じ。気持ち程度深く解説されてあるかなぐらいの印象です。欧米の図書館では日本と違い司書職員が修復作業を兼任しておらず、修復専門員が作業を行っているという。
読了日:09月08日 著者:書物研究会
視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話感想
物理学、文化人類学、仏教学、歴史学、宗教学、教育学、脳科学、各分野から専門家を1人ずつ招き、MC2人との対話形式で話が展開されていく。話し言葉に近い文体で、造詣のない分野の話もわかりやすかった気がする。トップバッターの物理学から面白くて、とあるTVドラマの某先生の「実に興味深い」という台詞が脳内で何度か再生されていた。特に気になった分野をひとつ挙げるなら文化人類学かな。しかしどの分野の話も自分の考え方を変えるきっかけになるかも。まだ知らない分野・知らない視点があることを思うと、少し気が遠くなる感じがする。
読了日:09月08日 著者:深井 龍之介,野村 高文
バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)感想
昆虫学者ファーブルにあこがれ、バッタに◯◯れることを夢見るドクター、アフリカの地に降り立つ。予想の斜め上をゆく環境の違いを柔軟に受け入れているかのような著者ですが、知られざる苦労もあったのではと思う。困難でさえも滑稽話に転換し、多くの人との繋がりに支えられ見守られ、研究者としての足場を築いていく著者のバッタ人生に深く心を打たれました。少年よサハラ砂漠でも大志を抱け。籠の中でも外でも生きていけるかもしれないけれど、リスクを覚悟で外に飛び出してみたい。そんな衝動に駆られる。文章も硬すぎず読みやすい。おすすめ。
読了日:09月07日 著者:前野ウルド浩太郎
日本の伝統 発酵の科学 微生物が生み出す「旨さ」の秘密 (ブルーバックス)日本の伝統 発酵の科学 微生物が生み出す「旨さ」の秘密 (ブルーバックス)感想
思えば発酵食品を毎日食している。納豆、キムチ、ヨーグルトは朝昼晩の食卓に頻繁に登場するし、塩麹や醤油もよく使う、味噌が好きだし酢飯も好き。もちろん酒類は大好物だ。日本は特に発酵食品に恵まれている環境ではないかと私は思う。前述した食卓に上がるような発酵食品のメカニズムはもちろん製造方法、健康へどう影響するかなど情報量がとても多いです。またいい意味で脱線することが多く、さらなる余分な知恵がつく良書だと感じました。「誰が発見したのか」明らかではない発酵食品があることは謎のまま解明されないだろうけれど感謝したい。
読了日:09月06日 著者:中島 春紫
図書館のための簡単な本の修理図書館のための簡単な本の修理感想
図書館で借りた本は基本的に透明なフィルムできれいに保護されている。図書館の本の保護方法を知ることができれば、自宅で本を保管管理するのにも役立つのではないかと考えた。内容は「図書館のため」「簡単」のキーワード通り。もうひとつ付け加えるなら「児童書」を中心にした修理や保護の方法です。大人向けの書籍より児童向けの書籍が劣化しやすいはず。修理の頻度も児童書のほうが高いのでしょう。使う道具も百均で集めることができそうなものばかりで安心。ブックカバーフィルム(透明フィルム)はどこで入手すればよいのだろうか。調べよう。
読了日:09月05日 著者:
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)感想
歴史・地理・人種・動植物の知識に加えて言語学の知識もあるとすんなり読めそう。そんな多くの知識もないし書いてある内容が分からなすぎて退屈したくない、またはざっと本書の内容を知ってから詳しい内容を追っていきたい。そんな方はこの銃・病原菌・鉄[下巻]のエピローグの章をじっくり読むと全体的な内容を把握できるのではないかと思う。上下巻を順番よく喘ぎ苦しみながら読み進めて最後エピローグの章にたどり着き、「ここを最初に読みたかった」と感じた私からのささやかな助言でございます。それにしても病原菌は今も昔も脅威なのですね。
読了日:09月05日 著者:ジャレド・ダイアモンド
ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)感想
表紙の堀江氏が今見るよりもとてもスリムでおどろき。服役生活というものは体型的にも変化を与えるんですね。ダイエットを志す方は服役・監獄生活から学ぶ、という道もあるかもしれません。服役期間はどのくらいだったのでしょう。本だけで1000冊。日に1冊ぐらいは読んでいたのかも。内容は収容中に読んだ本の中から厳選された42冊の書評と、後半は対談。読みたい本も検閲を抜けないと読めないのはきっと難儀だったことでしょう。本をはじめ色んな情報にさして障害もなくアクセスできるのはとても恵まれているということを改めて感じました。
読了日:09月04日 著者:堀江 貴文
ルクレティウス 『事物の本性について』――愉しや、嵐の海に (書物誕生 あたらしい古典入門)ルクレティウス 『事物の本性について』――愉しや、嵐の海に (書物誕生 あたらしい古典入門)感想
ミステリ界隈には「壁本」なる本が存在するらしいです。これはミステリの解答やトリックなど物語の内容に納得できず「壁に投げつけたくなる」本に贈られる賛辞だという。私にもそんな本があったかな。記憶にはないかもしれない。さて、違う意味で目の前に突如「壁」のように現れる本がある。先述した賛辞されるようなミステリとは違い、今の己の知識や読解力では超えられない高い壁のような本。本書は今の私にとってそんな風に感じる本でした。古代の哲学者に繋がる知識を得たかったのだけど、少し違うアプローチを取ったほうがいいのかもしれない。
読了日:09月03日 著者:小池 澄夫,瀬口 昌久
知識を操る超読書術知識を操る超読書術感想
知識を最大化する。それを目標にDaiGo氏は日々読書をしているらしい。1日に10から20の書物に目を通すということは年間で4000から5000本ぐらい?まだお若いのでこれから先さらに多くの知識を手に入れていくのでしょうね。そのDaiGo氏の読書術を惜しげもなく晒してくれたのが本書。この本に書かれているのはおそらく万人に扱える範囲のテクニックだと思う。ただ、紹介されているテクニックだけで1日2桁読書は達成できないのではと感じる。この本を基本に据えて自身の読書に磨きをかけることで、氏に追いつけるかもしれない。
読了日:09月03日 著者:メンタリストDaiGo
10歳からのおもしろ!フェルミ推定: 論理的思考力が育つ10歳からのおもしろ!フェルミ推定: 論理的思考力が育つ感想
年齢を重ねるにつれてだんだん考えるのが億劫になってきた。問題を解決するのにネットで調べたことをそのまんま実行してみたり、ニュースなどを見ても人の話を聞いても「あーそうなんだへー」で終わってしまったり。これではいけないよ私。考えてない。頭を働かせてないよ。とにかく何か思考力を鍛えるきっかけがほしくて手に取ったのが本書。数字を扱うことに苦手意識があるため、だいぶハードルを下げました。狙い通りわかりやすかったです。数学を数楽と感じるまでにはまだ時間がかかりそうですが、ちと奮起して学習を進めていきたいと思います。
読了日:09月02日 著者:横山 明日希,こざき ゆう
ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45感想
メンタリストDaiGo氏の本を読んでるような感覚で一気に読めてしまった。私の集中力の敵は雑音・騒音などの音であると自覚している。なので耳栓を使っていた時期があった。しかし人前だとつけるの恥ずかしい。そこで今はノイズキャンセリング機能付きワイヤレスイヤフォンを無音のまま装着してみている。耳栓と同じか少し上の遮音性で、なにより人目を気にしなくていい。音を含めた環境作りについても本書で触れられてはいますが、主に心の扱い方に重点を置いている感じ。第3章「儀式を行う」の内容がすぐにでも試せそうなので取り入れてみる。
読了日:09月01日 著者:鈴木 祐

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